元々は池波正太郎の同名小説をさいとう・たかおが漫画化したものです。
「ゴルゴ13」「サバイバル」で知られるさいとう・たかおは、「鬼平犯科帳」や「剣客商売」「仕掛人 藤枝梅安」など時代劇物の漫画も手掛けており、今回紹介する「鬼平犯科帳」はその最も代表的な作品で、単行本もすでに60冊は出ているのかな。
みうけんも途中までは集めましたが、ワイド版と呼ばれる大きくて分厚い本なので場所を取りすぎて、途中で挫折してしまいました。
が、文庫本が出ているそうなので文庫本で集めたいとも思っています。
なかなか読む暇はありませんが・・・
この漫画の特筆すべきところは、原作となった池波正太郎先生の小説の影響を大きく反映しています。
繁栄きわめる江戸の世において、数々の凶悪な犯罪が繰り返される。
そんな犯罪に文字通り身を挺して挑むのが火付盗賊改方長官・長谷川平蔵で、その仕置きの苛烈さは「鬼の平蔵」と呼ばれ江戸市井からは恐れられるのですが、貧しくて盗みを働いたりしたうえで反省の情が濃かったりすれば、これもまた温情溢れるさばきをしたりもするのが感動をさそう見どころとなっています。
また、鬼平犯科帳は美食家とうたわれた池波正太郎先生の作品だけあって「食」に対するテーマも深く、いろんな美味しそうな料理に舌鼓を打つ姿も見ていて楽しい。
今は想像するしかない江戸時代の風景や風俗をフィクションとは言え絵で見ることができて楽しいし、勧善懲悪だけに終わらない人情話もあり、また今とは少し違ったグルメ話も楽しめる、そんな楽しい一冊でもあります。