みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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全国的にも珍しい 天狗童子の道祖神(町田市)

町田市成瀬にある「クリーンセンター」のあたりは、随分と昔から開かれてきたような住宅街の装いです。

 

このあたりは、いわゆる「二本差し」が闊歩していた時代から人々が住んでいたのでしょう。

 

路傍のあちらこちらに石仏が残されては、今なお道ゆく人々を見守っています。

 

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そんな成瀬の里、クリーンセンターの裏側に、珍しい道祖神があるというので早速行ってみました。

 

その道祖神は、生活道路が分岐していく脇にあり、すぐ近くには笠をかぶった地蔵菩薩の立像がお立ちになっています。

 

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そのお体が濡れないようにと笠を被せられ、ビニール製の雨ガッパまで着せられている姿を見るとき、この地域に住む人々の信仰心が今なお鮮明に思い出され、真新しい真紅の涎掛けが、より一層日差しに映えて実に鮮やかでした。

 

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さて、この脇にある道祖神はカラス天狗の姿をした珍しいものです。

だいたい道祖神というものは、夫婦和合を示す男女双体像か、自然石などに「道祖神」と文字を陰刻した簡素なもの、と相場が決まっているものです。

 

しかし、この成瀬の道祖神は右手に七裂のヤツデの葉を、左手には錫杖をお持ちになって、その背中には立派な羽をいっぱいに広げ、誇らしげに立つ天狗童子のお姿で描かれているのです。

 

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この天狗童子の立像は、高さ49センチの舟形光背をもち、成瀬東光寺村の氏子中によって建立されたものです。

 

天狗童子の道祖神というものは全国的にも類を見ない珍しいもので、ここのほかにも山村と西ノ久保にも現存している、と案内看板にはありました。

 

天狗というのは修験道のシンボルで、かつて中村には三間四方(三間は5.4メートル)の薬師堂があり、ここを中心として修験者たちが祈祷を生業としながら住み、造像信仰を深めていったものであろう、と言われています。

 

高く結い上げた神、強烈な釣り目に、しっかりと固く結んだその口は、現代の人々の姿をどのようなお気持ちで見守っておられるのでしょうか。

 

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もともと、天狗というものは全国で道祖神としてまつられる猿田彦神と同一視されてきたという歴史があり、また仏教界においては仏法を守護する八部衆の一、迦楼羅天(かるらてん)が変化したものともいわれています。

 

神奈川県にもいくつもの天狗伝説が残されているように、ここ町田市の成瀬のあたりにも、確かに天狗信仰が根付いていたのでしょう。

 

このあたりには、他にも地神塔や馬頭観音の石像がいくつか残り、むかしむかし成瀬に生きた人たちの信仰の厚さを物語っています。

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いま、この天狗童子の御前にて手を合わせて静かに向かい合うとき、まるで今にも羽ばたいて、天高く舞い上がりそうな躍動感を感じる天狗童子のお姿に、かつてこの前にひざまづいて祈りを捧げた人たちの姿が重なるようで、ここにも遥かなる時の流れを感じて感慨もひとしおです。

 

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