乙嫁とは、おとよめと読んでとても若い若奥様のことをいいます。
この漫画は、19世紀のカスピ海周辺の中央アジアをはじめ、ペルシアなどにも話が及びますが当時の人々の暮らしが緻密な絵で丁寧に描かれています。
みうけんにとって、中央アジアは死ぬまでに一度は行ってみたい場所の一つ。
中国の敦煌からはじまり、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン・・・
シルクロードの交易で栄え、カスピ海やアラル海での漁業で栄えた街々を見に行ってみたいので、この漫画はとても興味があります。
特に、この漫画にはアラル海沿岸にあり漁業で生計を立てる村ムナクが出てきます。
この村は実際にはモイナク、ムイナクという都市となり、ソ連時代に漁業の街として隆盛を極めましたが、ソ連の自然改造計画が失敗しアラル海が干上がると漁業の街も衰退するばかりか湖底だった所の砂が舞い上がる「砂害」に悩まされ、今では朽ち果てた廃船があちらこちらに放置されたゴーストタウンになってしまったとのこと。
ほんの100年前には、この漫画に出てくるような活気のある光景が繰り広げられていたんでしょうが、悲しい事です。
それにしても、この漫画に出てくる民族衣装は、みな豪華絢爛、雅で優雅。日本でいえば振り袖のような豪華さで、ふだんからこんなものを着て狩りなんかしていたの!? と思ってしまいます。
日本が舞台では決してありえないような「姉妹妻」の風習なんかも紹介されていて、アジアが好きな方にはオススメの漫画です。