みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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時代の流れに姿を消した 福富稲荷の石抱き榎(逗子市)

京浜急行の神武寺駅前の通りを原付で走り抜け、神武寺駅から東側に向けてスロットルをふかしました。

やがて現れる「池子駐在所前」の交差点から南側、池子トンネルの方へ向かっていくと、少し行ったところに福富稲荷と呼ばれる、お稲荷様の小さな祠があります。

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この道は、もともと西側の星ヶ谷部落、東側の菅ヶ谷部落の境の道でもありました。

池子あたりは谷戸に沿って集落が形成され、その谷戸の名前がそのまま集落の名前や字名となっていますが、このような例は鎌倉市や横浜市などでもみられます。

 

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そのうち星ヶ谷部落の旧家が集まって講中を設けて設置されたのが、この「福富稲荷」であるということです。

 

この稲荷講中では、現在でも祭祀がひらかれており、その時期になると「福當稲荷大明神」と大書きされた幟をたて光景を目にすることができます。

 

また、今なお講中の家々ではそれぞれの敷地内に分社を設けてお祭りしているということです。

 

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さて、この福富稲荷の境内には、一際大きな巨石が横たわっています。

 

ずっと昔々からここにあったのでしょう、この巨石には2010年代の終わりまで「石抱きの榎」という大きな榎の木が巻き付き、それは実に見事な光景でした。

みうけんもこの道は原付でよく通るので、この榎に会うのを楽しみにしていた思い出があります。

 

逗子市の公式サイトによれば、もともとここにあった榎の木は「石抱きの榎」と呼ばれた名木で、樹高は12m、幹の周りは178cmにも及んだ大木で、「逗子景観賞」をいただいたこともある木でした。

 

逗子市公式サイトより)

 

しかし、この榎の木は現在はなく、ただ巨石だけが残されています。

その脇には切り株が残されていますが、新しく植え直したと思われる新しい木が元気に伸びているのがせめてもの救いです。

 

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この榎は、どうしてしまったのか。

この近所に住む方にお話しをうかがってみたところ、この木を管理している講中の方々の中から、あまりに木が大きくなりすぎて、もし倒れたりしたら責任が持てないという声が上がり、伐採してしまったのだというお話を聞きました。

 

大変残念ではありますが、これも時代の流れというものかもしれません。

奇しくも、このすぐ近くでは2020年2月5日の朝、マンション「ライオンズグローベル逗子の丘」の東側の斜面が崩壊して約68トンもの土砂が崩れ、巻き込まれた女子高生が死亡するという事故もありました。

 

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今や、信仰や名木も景観も、人々の安全の確保が最優先となってしまうのは当然の事でもあるでしょう。

里人の安寧な生活は、何よりも優先されることなのです。

 

いま、かつては何本もの太い幹が注連縄のようにねじりあい、巨石の上にのしかかっていた見事な光景はすっかり過去のものとなりました。

もともと榎の木が乗っていた石だけはそのまま残されていますが、その脇には新しい若木が植えられて、真新しい若葉を風になびかせています。

 

 

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