みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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松浦豊先生のあしあと 三戸のお精霊流し(三浦市)

みうけんが尊敬する三浦半島の歴史研究家に、松浦豊先生という方がいらっしゃいます。

いや、もう「いらっしゃいました」と過去形にするのが正しいのでしょう。

 

ずいぶん前に鬼籍に入られて「たしか三崎のどこかのお寺にお墓があると思います」(光照寺ご住職談)との事ですから、いつかはその場所を探し、お墓参りをしたいと思っています。

 

松浦豊先生は、三崎の中心部で洋品店を経営しながら生涯を三浦半島の歴史研究に捧げられ、数多くの本を上梓されました。

今も三崎の商店街の中心には、松浦豊先生が経営されていたモダンな洋品店がシャッターを下ろしたままに残されています。

 

この松浦豊先生は、決して観光ガイドブックには載らないような小さな歴史やスポットを丁寧に歩いて巡り、数々の歴史史料を掘り下げながら丹念に取材されました。

 

その代表著作であられる「三浦半島の史跡と伝説」などは、このブログの原点となったと言っても過言ではなく、このブログの初期の記事の文章の書き方は「三浦半島の史跡と伝説 」の影響を色濃く受けています。

 

 

さて、今回は敬愛する松浦豊先生のあしあとを求めて三浦市三戸の「光照寺」へとやってまいりました。

光照寺阿弥陀如来さまをご本尊にいただく浄土宗寺院で、正式には龍徳山 光照寺というお寺です。

 

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この寺の開山は永享2年(1430年)、室町時代の三徹上人によるものです。

現在は浄土宗の大本山である鎌倉光明寺の末寺となっており、三浦三十三観音霊場の札所としても信仰されているお寺です。

 

このお寺の観音さまは「かめくり観音さま」と呼ばれて親しまれていますが、観音さまについてはまた別記事で触れたいと思います。

 

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さて、この光照寺がある三浦市初声町三戸には、盆の精霊送り行事である「オショロ流し」(お精霊流し)というものが伝わり、国の指定重要無形民俗文化財にも指定されています。

 

毎年のお盆では各家が盆棚を設けて祖先の霊を迎えるのは、どの地方でも共通ですが、三戸では8月16日の早朝に、祖先の霊を「オショロサマ」やお供物とともに、オショロブネ(お精霊船)と呼ばれる大きな藁舟に乗せて送り出すのです。

 

カナロコ 2010年8月16日(月) より)

 

オショロサマとは、ナスの牛とキュウリの馬の背に乗せられて仏壇に飾られる麦わら人形で、祖霊がのりうつったものとして大切に扱われているそうです。

 

8月16日の夜明け前、小学1年から中学3年までの男子で構成される「セイトッコ」たちが三戸地区の墓地を回って供物を集め、砂浜へ運びます。

 

午前6時頃になると、大人たちは砂浜に集まり竹と麦わらで4mほどの船を作って5色の旗や花飾りや御幣、施餓鬼旗などで華やかに飾り付けをします。

 

そうして作られた藁の船にオショロサマとお供物を乗せて、午前8時頃にセイトッコが泳いで相模湾の沖を通じ、西方浄土に送り出すという行事です。

ここ光照寺の本堂には、そのオショロブネのミニチュアが飾られていました。

 

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また、本堂のかめくり観音さまの脇には、冒頭で触れた松浦豊先生が奉納された大絵馬が飾られていました。

 

昭和56年1月吉日と日付の入るこの大絵馬は、御住職のお話によれば松浦豊先生が実際に描かれたものという事で、中央の観世音菩薩が右下のオショロブネを見守っているさまが優美な筆遣いで描かれています。

まるで一流の絵師が描いたかのような見事さに、しばし見つめあってしまいました。

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また、せっかくのご縁なので御朱印を拝受しました。

このようなご縁を頂いた事には感謝しかなく、改めて観世音菩薩に対する信心を新たにしたのは言うまでもありません。

 

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いま、陽光の差し込む光照寺の本堂のなか、しっかりとした眼差しでこちらを見つめるかめくり観音さまの御尊像と、松浦豊先生の描かれた観音さまに互いに向き合うとき、こうして得る事が出来た不思議なご縁にただただ感謝しかなく、またお忙しい中色々とお話をくださった高徳なご住職のお言葉もこころ新たに、ますます三浦に伝わる観音信仰というものに奥深さと美しさを見出したのです。

 

 

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