こないだ、近くの焼き肉レストランに行きました。
家族で行けるファミリータイプのお店で、この時も平日に関わらずたくさんの家族連れで席が埋まっていましたが、そこで頂いた盛岡冷麺に入っているゆで卵に目が行きました。
何かがおかしい。
見るからに、黄身がおかしい。白身も薄い。
みうけんは料理も趣味程度にするので卵もゆでるし、ラーメンが好きで味玉などをふだんから見ています。
なので、すぐに気が付きました。
さっそく横向きにして・・・
裏返すと、完全に白身です。
普通の茹で卵であれば、有り得ない事です。
異常に色艶が良い黄身。
丸々とした黄身があるなら、その裏側の断面にも黄身があるはずなのに、黄身がない。
そう、これは完全な「人工卵」です。
卵をゆでて、カラをむくという手間。
1個や2個ならそうでもないのですが、食品会社は毎日何百個・何千個の卵を扱いますから、その手間は大変です。
また、ゆで卵は断面にしてしまうと端っこの部分は使えません。
白身ばっかりだったりするからです。そうなると、食品のロスも多くなります。
ゆで卵のカラをむくと、白身がボロボロになることもあります。そうなると商品価値はありません。
そこで開発されたのが人工卵で、卵を機械的に黄身と白身に分離し、防腐剤や発色剤などガバガバ添加して見た目良く整形しなおしたものです。
例えば、目玉焼きタイプのスノーマン 目玉焼風まるオムレツ。
あの有名な大手K社の商品です。
一見して目玉焼きですが、実は、これも液卵を加工した冷凍食品。
どこからどう見ても人工卵には見えません。
その原材料名を見てみると??
液卵(国内製造)、デキストリン、還元水あめ、植物油脂、こんぶだし、ゼラチン、食塩、酵母エキスパウダー/加工でん粉、PH調整剤、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム)、カロチノイド色素、(一部に卵、乳成分、大豆、ゼラチンを含む)
と盛りだくさんです。
ただ、アルギン酸ナトリウムは主に海藻由来、キサンタンガムはトウモロコシなどのでん粉由来で人体への影響はないとされている、カロチノイド色素は自然界の色素、と特に人体に影響があるものは入っていないようです。
そこは大事です。
しかし、個人的にもっと大事だと思うのは、目玉焼きやゆで卵にここまでいろいろなモノが知らず知らずのうちに入っている、という事。
これらを食べるを多くの人は、お店の手作りだと思っているかもしれない事。
ここで挙げた例は信頼性の高い国内の大手K社のものです。
しかし、外食産業では多くの輸入食品が使われており、その中には怪しげな外国製品が使われているのも事実です。
25年ほど前、みうけんは横浜市内のケーキ工場でアルバイトをしていました。
いわゆるコンビニで売られているカップケーキで、誰もが見たことはあると思います。
あれを一日作っていると誰でも超マッチョになれる話もありますが、それは次回においといて。
あの材料を見ていたら、食いしん坊将軍のみうけんも食べる気にはなりませんでした。
そう、漢字だらけで全然読めないミカンの缶詰とかね。黄桃の缶詰もね。
業務用で、とにかくでかい。重い。
当然安いんでしょうけど、いろんな物が混入していましたよ。あんな物やそんな物が入っていて、それを見てゲロ吐いた短期アルバイトの女の子もいたほどです。
それを異物を取り除き、漂白剤みたいなやつに漬けて(詳細な薬品名は忘れたけど消毒らしい)使うのです。
料理をする方なら、自分がどんな食材使い、どこで買ったどんな調味料を入れているかくらいは把握できていると思います。
しかし、外食でよく出てくる合成食品、工業製品ではそれができません。
カップケーキのみかんやモモがそんな物が使われていたなんて、あれらを買い求める人たちはきっと知らないんだろうな。
あれから四半世紀たって、さすがに改善され・・・てるといいな。
おっと、話を戻します。
卵の話でしたね。
例えば、ゆで卵のスライスは、金太郎飴のように長細くて、どこを切っても同じ割合の黄身と白身。
ラーメン屋チェーンなどで見かける半熟ゆで卵を縦半分に切ってあるものも、工業的に大量生産された卵のような物体です。
国内大手のものは、「耐熱性がある半熟卵風商品です」とあります。
耐熱性がある卵って表現、初めて聞きました。そして、あくまでも「半熟卵『風』商品」なのですよ。
みうけんはかつて食品関係の学校に行き、基本的な食品工業、添加物などミッチリ勉強しました。それ関係の全国大会にも出てトロフィーをもらったりもしています。
結局は食品とは縁遠い仕事をしていますが、だいたいの添加物の特性は把握しています。
ここで紹介したK社は善良だと思います。
見た限り、変な材料を使っていません。
人体に害のないもの、天然由来のものばかりです。
しかし、世界中に星の数ほどある食品会社がすべてそうではない、という現実。
そして、この工業製品を多くの人が、そうとは知らずに口にしてしまっているという現実。
これらの商品が、結果的に低コストを実現し、安くて美味しい外食産業を支えているのも事実ですが、それらを食べる消費者も興味をもって食材を観察していくと良いのではないかなと思いました。