横須賀市の西側の海沿いには、かつて旧日本海軍の武山海兵団などがあった。
そもそも三浦半島全域が東京湾要塞地帯とされ、写真撮影はおろか写生や自由な散策すらできず、一部では地図からも抹消されていたほどであったという。
時代は流れて戦争は終わり、旧軍も解体されて自衛隊へと変わった。
武山海兵団などがあった敷地も現在は自衛隊の管理下となり、そのすぐ脇には海浜公園もできて、往時からは想像もつかない平和なところとなった。
その武山海兵団の跡地、現在は自衛隊武山駐屯地となっているところから三崎街道へとつながる旧道を上り、途中でセンス畑と呼ばれるあたりへ抜ける細い道を原付で走っていたところ、とても不可思議な光景を目にしたのである。
その道はとても細く、傾斜は急峻であり、通常の四輪車では通るのに難儀してしまうようなところである。
そのせいかグーグルマップのストリートビューも、ここだけが掲載されていないのである。
道にはうっそうと茂った木々が覆いかぶさるようにしてあり、昼なお暗く妖怪でも出そうな雰囲気であるが、この中でも不思議に見えるのが、この道の両脇に掘りこまれたたくさんの横穴というか、くぼみである。
あまりに周囲が暗く、昼間であるのに写真を撮るのに非常に難儀したが、数枚が撮れたので掲載させていただく。
その多くは穴というよりも窪み、凹みといったようなもので、その奥にはTやYのような不思議な切れ込みが深く掘られているものが多い。
普通の防空壕や、洞窟陣地の入り口のような横穴もある。
しかし、多少の奥行はあれどすぐに行き止まりになっているようで、やはり横穴というよりも窪みといった方が正しいのかもしれない。
こちらの穴には、綺麗なYのような窪みがつけられている。
こちらの穴にも、天井に近いところにYというか、Tのような掘りこみがある。
なかには、なぜか庚申塔が祀られたものも。
しかし庚申塔などが祀られた穴はここだけで、他の穴は結局使い道がよくわからない。
厳密に数えたわけではないのであるが、この穴は道路の両側に十数基といった単位で整然と並んでいた。
地下水を得るための横穴というか、横井戸のようなものかもしれないと思ったが、その割には水気もなく、横井戸の役割は全く果たしていない。
場所が場所だけに軍事的なものかも知れないし、農業用途にしても、いったい誰が、いつ、どんな目的で掘った穴なのだろう。
このような時は地域の方にお話しを伺ったりすることもあるが、このような場所では通りかかる人すらおらず、その答えは課題となったままである。
どなたか、この穴について正確な使い道や、いつごろ誰が掘ったのか、などご存じの方がいらっしゃればコメント欄で教えて頂きたいです。
知的好奇心というか、興味本位ですが。
宜しくお願いします。