桜木町のあたりを原付でチャリチャリ走っていた平日の昼下がり、ちょっと怪しげな雰囲気を放つ一角が目に入りました。
入り口の前に積まれた、段ボール、段ボール、段ボール。
しかも、その段ボールに書かれた文字がさっぱり読めねぇ!!
実はここ、桜木町エリアの中でも数少ないハラルフードのお店なのです。
正直に言いましょう。
ここのおっさん、塩対応です。見知らぬ人にはニコニコなどしない国情というか民族性なのか、ニコリともしません。こっちから「こんちは!」なんて言ってもガン無視です。
でも、「骨つきのマトンが欲しいの」などと要望をしっかり伝えれば、それには充分に応えてくれます。
やたらに愛想が良くて、こっちが聞いてもいない事をベラベラ説明されるよりかはいいか…という考えもあるな。
そんなこんなで購入した、骨つきマトン1kg。
だいたい千円くらいでした。
こちらは裏面の画像。
よくよく見ると、加工者は埼玉県草加市の会社。つまり、肉はオージーですが加工と袋詰めは日本でなされているのです。
それなのに、主たる言語が英語とアラビア語。日本語の説明は左下にちょびっと書かれて、しかもその上に品質表示のステッカーが貼られてしまっているという荒くれっぷりです。
いかに、日本人向けでないかっていう事が分かるでしょう。
解凍したマトンを、ニンニクと生姜とともに炒めます。相変わらず量は適当。
表面に火が通ったら、プレーンヨーグルトをドバー。トマトの缶詰をガバー。
て。き。と。う!!
もともと、そんなに厳密に量を測って作るような料理じゃないんですからね!!
グツグツグツグツ煮込みます。
巷では「水を一滴も使わないカレー」なんてのがもてはやされますが、それでは煮詰まってしまうので水を足しては煮詰め、水を足しては煮詰め。
そして、取りい出しましたるミックススパイス。
これも36スパイスで200〜300円で買うことができます。
こちらはインドのメーカー「MDH」のミート・カリー・マサラ。
もう、この写真だけで間違いなさそうなオーラがプンプンしています。
グツグツ煮えている鍋に少しずつ投入。
途中岩塩を足し、コンソメも足し、自分好みの味に仕上げていきます。
煮詰めていく途上、タマネギを1個スライス。
たっぷりの油でコンガリと揚げるように炒めます。狐色になるくらい炒めるのがよろしい。炒まったら、これをカレーの鍋に入れてさらにグツグツと煮詰めていきます。
そして、煮詰まったらいよいよ白いご飯にのせて!!
「5時間煮込んだ特製マトンカレー」の出来上がりです。
うん、さすがにこれだけ煮込めばトロトロのホロホロ!! もはや、ズタズタという表現が正しいのでしょうか。骨付き肉なんですが、完全に骨がズルむけてしまっています。
骨にしゃぶりついて肉をはがす必要もないので、食べやすい食べやすい。
肉以外の具材は完全に溶けてしまって原型はないですが、その分じつに深い味わいが醸し出されています。
本国であれば、主食はナーンだったりチャパティだったりするのでしょう。
しかし、このカレーは白いご飯との相性が抜群です。これはみうけんが、やはり日本人である事の証左でしょうか。
どんな安い肉だって、丁寧に煮込めばごちそうになります。
また、どんなにニオいが気になる肉だって、下茹で(今回はしていないけど)をよくして、スパイスをうまく用いればそれなりに美味しくなります。
今回も美味しくできたので、次回はビーフバージョンも作ってみたいなと思いつつ、マトンの骨を吸ったのでした。