みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

愛車はヤマハのシグナスX。 原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。
風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。
※いままではカタい文章の書き方でしたが、徐々に改めていきます。

1960年(昭和35年)日本映画「独立愚連隊 西へ」

今回の映画鑑賞。

昭和35年(1960年)公開の日本映画「独立愚連隊 西へ」です。

これは岡本喜八監督「独立愚連隊シリーズ」の2作目で、名優加山雄三が主演を務めた映画でもあります。

 

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場所は中国北部。

ある歩兵連隊が全滅したことにより行方不明となった軍旗を奪還するために捜索された決死隊。

 

軍旗というのは日本軍のシンボルでもあり、当時はたいへんに神聖視されて兵士の命よりもはるかに大切なものだったといいます。

 

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しかし、一個連隊を全滅させるほどの激戦地においてわずかな兵力で旗一枚を取り返すことなど無謀というほかなく、第一陣の決死隊はすぐに全滅してしまいます。

 

そこで、起用されたのが左文字少尉率いる左文字部隊。

実はこの部隊はならず者たちの集まりで問題も多く、この時も友軍のトラックから物資を強奪した罪により重営倉にブチ込まれている始末。

 

しかしあまりの強運のために今まで一度たりとも戦死者を出さなかったという、ある意味で最強部隊でもあったのです。

 

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実はこの左文字部隊はすでに戦死した事となっており、ていの良い鉄砲玉として軍旗奪取の第二部隊とされることに。

 

しかし、その手柄を横取りしようとする悪玉軍曹やら、迫りくる八路軍やら、日本軍将校に化けて接近する八路軍らからいかに軍旗を守り、生還するか・・・というあらすじです。

 

この映画は起承転結はっきりしており、また広大な中国で撮影したのかセットもしっかりしていて、当時の中国戦線というものがどういったものであったのかが良く表現されています。

 

うちのじいさんも、中国戦線に行っていましたからこんなところで働いてたんだなぁ、と頭が下がります。 

 

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そして、この映画で重要なキーマンとなるのがP屋のおやじ、早川(中谷一郎)。

なんと水戸黄門では風車の弥七鬼平犯科帳では大瀧の五郎蔵を演じている中谷一郎です。

 

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P屋というのは、要するに慰安所です。この写真に写っている右から2番目の女は朝鮮人慰安婦の役回りですが、日本人慰安婦と対等に話していますね。

このほかにも、P屋のおやじは物語の展開にはなくてはならぬ役回りをします。

 

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そして、何より楽しいのが八路軍の梁隊長(フランキー堺)。

中国語じょうず!! この映画のために、どんだけ中国語を練習したのでしょうか。

フランキー堺の明るくて憎めない役柄は、渥美清西田敏行のそれを上回っていると思います。

 

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個人的にグッと来るのが、宮田憲兵(桐野洋雄)。

ぜったいに仲良くなれなさそうな性格(笑

宮田憲兵左文字部隊にバカにされて、「上官侮辱罪デェェェスキェェェ」するんですが、これは左文字部隊でなくてもいじってみたくなる人ですね(笑

 

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そして、八路軍の情報将校でありながら、もと日本への留学生という?身分を生かして日本軍中尉に化ける金情報将校。(写真右側:中丸忠雄

情報将校とはいえ、本当にここまで日本語が堪能な八路軍がいたのでしょうか。

 

この人はあまり有名な俳優さんではありませんが、それでも出演した作品は多くて好きな俳優さんの一人です。

 

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ちなみに、この金情報将校はWikipediaでは金山中尉となっています。

でも映画の中では、あくまでも金情報将校としての役割が大きくなっており、左文字部隊へのスパイとして浸透しつつも、最後は意外な別れ方をします。

 

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でも、やはり一番は「ちっきしょ〜う」が口癖の戸川軍曹(佐藤允)でしょう。

この佐藤允は個人的に好きな俳優です。名作「二百三高地」ではやくざ兵の役割を演じていましたね。

本当にいい味だしてやがるぜ、ちっきしょう。

 

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この映画で気になったのは、物語の後半で仲間を失い葬るシーン。

そのカメラワーク、BGMが黒澤明監督の「七人の侍」で林田平八を埋葬するシーンに似通っているような気がしますが、いくらかの影響を受けたのか。

それともまったくの偶然か。

実に気になるところです。

 

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この映画は分かりやすいストーリー、強大な八路軍に苦しめられる日本軍の姿、そして平凡で人が良い八路軍の兵士たちなど反戦的な要素が強い映画でもありますが、これは戦争の記憶がまだ色濃い当時の作品であることを考えれば仕方のないことでしょう。

 

それでも、起承転結に読み、現代映画にはない着想とストーリー展開、そしてコメディ的な場面も多いことから、なかなかに楽しめる映画であると思います。