1970年代前半と、少し古い漫画なので時代設定もそのあたりでしょうか。
東京都内の平凡な小学校が、学校まるごと未来にタイムスリップしてしまいます。
先生や生徒、給食宅配のおじさん、たまたま遊びに来ていた幼児、果ては学校に空き巣に来ていた凶悪犯まで。
しかも、その未来がすっかり滅亡して砂漠になってしまった地球なんです。スモッグで空は覆われて薄暗く、植物も水もなく、そのくせ汚染物質をたっぷり吸って、滅亡した地球に適応した未来生物ばかりがはびこる社会。
「常識」に凝り固まった大人たちはほとんど心臓マヒを起こしたり、自殺してしまい、残った大人は王様ヅラして学校の独裁者としてさんざん暴れたあげく、怪物に襲われたショックで赤ちゃん化するというダメっぷり。
早い段階で子供達ばかりになってしまい、最初は協力しあって理性ある生活をしているが、食糧が底をつくにつれ理性を失った子供達は殺し合いを始めてしまう。
ぶっちゃけ言うと、この漫画の中では子供達は未来から現代に帰ってくる事はなく、最後には意外な展開を見せます。
主人公である翔くんと、お母さんが盛大な親子ゲンカをして和解もしないまま未来に行ってしまうのが切なすぎるのですが、不思議な力が現代にまで届いて、幾度となく未来の翔くんのピンチを救います。
気になるのは、廃墟となった東京駅の地下で、仲間の死肉を食べながら生き残っていた人間。
もうボロボロすぎて若いのか年寄りかすら分かりませんが、彼が生きているってことは、地球が滅亡してから60年もたっていないでしょう。たった数年かも知れません。
その間にいったい何があったのか。
どうして地球はそうなってしまったのか。
最後まで解明されないままなのが、モヤモヤします。