みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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源頼朝が愛用した名水 城ヶ島の水垂れ(三浦市)

久々に三浦半島にやってきました。
三浦半島の先端、城ヶ崎に来たのは何年ぶりかなと思いますが、城ケ島の東側一帯に広がる城ヶ島公園の下側、東に突き出たあたりは「安房崎」と呼ばれています。
この対岸はかつて安房国と呼ばれた房総半島先端であった事から来た名前でしょうか。

 

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現在、城ケ島公園の第2展望台の下がわ、城ヶ島燈台のあったあたりは、かつて「神楽高根」(かぐらたかね)と呼ばれていました。
鎌倉幕府を創設した源頼朝は三浦半島の風光明媚で温暖な気候をこよなく愛し、たびたび訪れていましが、その時に洲崎明神へ奉納する神楽が奏上されたところであると伝えられています。

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ここに出てくる「洲崎明神」は、現在でも小さな社が残されています。
入り口は草に覆われ、どこから入れば良いのかなかなか分からないようなところにあり、社殿もすっかり廃墟のようになっています。

 

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しかし、江戸時代後期に編纂された歴史史料である「新編相模国風土記稿」を紐解いてみれば「三浦郡・衣笠庄・城ヶ島村」の欄にきちんと紹介されており、そこから引用すれば

 

洲ノ御崎社地
須能美佐木之夜知。
小名安房崎に在り。海を隔て房州洲崎明神の社地と相対す。故に神号とす。藤原資盈が郎等の霊を祀りしと云ふ。資盈の事。三崎町海南明神の條に詳なり。古は棍栢の神木ありしが。貞亨三年四月天災に罹り枯渇す。村民其枯木を伐て。海南社に納め置り。圍一丈除相伝ふ。此木は源頼朝遊覧の時楊枝を挿置きしに。枝葉を生じ。ついに老木となりしと云ふ。 

 

と伝えられ、この社にあったと言われているカシワの御神木は、源頼朝が使った爪楊枝から芽吹いたものと伝えられているのが驚きです。

 

このように、この近辺は源頼朝をはじめとする鎌倉幕府将軍たちにゆかりの深いところではありますが、この洲崎明神から少し西に行ったところに、現在でも「みぞったれ」と呼ばれているところがあります。

 

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漢字で「水垂れ」と書いて「みぞったれ」と読ませるところですが、この岩場の陰からは常に清浄な岩清水が滴り、松の根元に溜まっていたそうです。

 

この水は、その美しさと甘さについては右に出るものはなく鎌倉将軍献上の水として、たびたび茶の湯として、また硯の水として献上されたと言われる名水であったことが、現在も案内看板にて説明されています。

 

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この水垂れ関しては、明治期から昭和期にかけて活躍した詩人であった北原白秋も言及し、

  

水垂の岩の峡を垂る水の瀟々として真昼なりけり

水垂の松のかげゆくあはれなり麗らなる日のべら釣り小舟

三崎城ケ島の水垂の岩に赤い鬼百合いつぬれた

 

 

と詠っているのです。

 

今となっては水垂れの岩場はすっかり木々に覆われて、また近づいてみても奥深い雑草に阻まれてその様子を窺い知ることはできませんが、かつてはここで採水された水によってすられた墨が、歴代将軍によって使われ、天下に号令を発する書状などが書かれたのかと思うと感慨深いものがあります。

 

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三浦半島を旅していると、このような隠れた所にも悠久の歴史を感じることができ、幾星霜の長い年月にわたって寄せては返してきたさざなみが海岸の美しい造形を形作ってきた事を考えると、三浦半島という地が歩んできた歴史の雄大さと、その奥深さに驚かされるばかりです。

 

 

 

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