今日の映画鑑賞です。
今回は1987年(昭和62年)公開の英米合作映画、「フルメタル・ジャケット」(原題:Full Metal Jacket)です。
苛酷な訓練をなんとか耐え抜いたアメリカ海兵隊の新米兵士がベトナム戦争に放り込まれ、無名の兵士と市民たちの闘いを描いた映画で、大きなヒットとなりました。
映画のタイトルにもなっている「フルメタル・ジャケット」は、弾丸の鉛を銅などで覆った弾丸で、日本語に直すと「完全被甲弾」となり、文字通りどんな困難をも跳ね除けて突き進む海兵隊員のことを指しています。
冒頭は、彼らが髪の毛をさっぱりと落として坊主にし、教官の鬼軍曹からの訓示というか、暴言を受けるところから始まります。
もう、のっけから完全なる人格否定。
「わが部隊では肌の色では差別はしない」なんて言い出すから、ベトナム戦争当時の教官にはそんな人もいたのかと思ったのも束の間、
黒豚 ユダ豚 イタ豚を、おれは見下さん
すべて平等に価値がないからだ!!
・・・なんという平等なお考え(´Д` )汗
そして、少年時代の思い出が蘇ったシーン。
全員で卑猥な歌を歌いながらランニングをするシーン。
これ、「ファミコンウォーズのコマーシャル」じゃんね(´Д` )!?
軍人たちが全く同じ構図で「♫ファミコンウォーズが出〜たぞ〜♫」と歌いながら走るシーン。
みんなで傘をもって、学校の廊下で真似したりして、バリバリ日教組の先生が発狂して呼び出しを喰らったのも良い思い出です。
で、中に一人だけ太っちょの兵士がいます。
そのアダ名も「ほほえみデブ」。
よく海兵隊に入れたなと不思議になるくらい太くて運動神経も鈍く、訓練にはついていけないわ教官には完全に叩きのめされるわで散々な目に遭います。
ほほえみデブゆえに食欲はあったので、ドーナツを隠し持っていたのが見つかり、連帯責任として同期生全員が腕立て伏せをやらされたいる姿を見ながら、直立不動でドーナツを食べろと命令されるデブ。
これは、ただリンチを受けるよりも精神的に辛いものがあります。
訓練の足は引っ張るし、彼一人のために出来損ない部隊とか言われるし、何一つ良いことはないデブで、そのせいでみんなからリンチをされたりもします。
その反面で天性の射撃の才能を教官から買われたもしますが、ついに精神に異常をきたして教官を射殺し、そして・・・。
海兵隊員の「ジョーカー」(実はこちらが主人公)は軍隊の機関紙の従軍記者として、また時には兵士としてベトナム戦争に参加します。
それまでの訓練風景とは打って変わった戦争シーン。
まぁ、もともと最初からお上品な言動などナニひとつないのですが、ヘリの上から農民に向けて機関銃をブッ放して現地豚を150人始末したぜヒャッハーしているアメリカ軍兵士と、それをニコニコしながら写真に納める兵士たちを見ていると、このベトナム戦争のほんの前の大東亜戦争で、日本人にも同じことをして来たのかと思うと考えさせられるものがあります。
それでも、陸に降りればアメリカ兵は苦戦の連続。
神出鬼没のゲリラ兵に悩まされ、1人の女性スナイパーによって次々と仲間を失っていくその焦りは、ものすごく鮮明に表現されています。
このスナイパーが、若い娘さんなんですが独特の気迫があって、名前はわからないけれど名優ではないかなと思います。
アメリカ兵を何人も倒したスナイパーもやがて討ち取られ、息も絶え絶えに祈りを捧げた後に、トドメを刺して欲しいと嘆願するシーン。
その姿を見ながら絶句するアメリカ兵たち。
本当に、戦争というのは歴史に残りながら、その実際は歴史に名を残さないような無名な兵士と無名な兵士どうしの戦いなんだなと思います。
最後、燃え盛り廃墟となっるフエの市街でミッキーマウス・マーチを歌いながら歩く兵士たち。
彼らのうち、一体何人が生きて祖国の地を踏むことになったのでしょう。
この映画は、先ほども書いたように「無名の兵士と無名の市民&ベトコンの戦い」を生々しく描き、かつ米軍による無差別の虐殺と、ベトコンゲリラに太刀打ちできなかった米軍兵士の苦悩を描いています。
ただ、前半の入隊〜訓練〜デブの死の場面と、後半のベトナム戦争シーンがあまりにも乖離しており、突然全く違う話が始まった感も否めず、映画を見終わった後に残される「いったいあの前半はなんだったのか感」がモヤモヤします。
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