みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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1965年(昭和40年)日本映画「血と砂」

 

今日の映画です。

今回見たのは、昭和40年(1965年)公開の日本映画、「血と砂」です。

岡本喜八監督で、wikiによれば

 

日本映画界全般を見渡しても屈指の名コンビ(監督・主演者)と言い切れる活躍ぶりを展開していた岡本喜八と三船敏郎による戦争活劇大作映画である。

 

と評された、名作とも言える映画です。

 

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www.youtube.com

 

 

◆◇◆あらすじ◆◇◆

 

時は第二次世界大戦末期。場所は中国、北支戦線。
最前線に送られてきた若き少年兵たちは、トロンボーンやクラリネット、チューバやフルートをかき鳴らし音楽を演奏する軍楽隊でした。
彼らは楽器の扱いには長けているものの、銃を撃ったこともなく人を殺すなんてとんでもない。
彼らの唯一の武器は楽器───。

 

そんな彼らが北支戦線の最前線に異動となり、その赴任先の大隊長である佐久間大尉(仲代達矢)は、重営倉に入っていた小杉曹長(三船敏郎)を指揮官として、中国軍(八路軍)に奪われていた小砦、「焼き場」の奪還を命じます。

 

小杉曹長から猛特訓を受けて、いくらかの戦闘力を身につけた軍楽隊たちは、墓穴ばかり掘っていた葬儀屋こと万年一等兵の持田(伊藤雄之助)、荒くれ炊事兵で同じく万年一等兵の犬山(佐藤允)、反戦主義者であることにより兵役を拒否し、入隊してからずっと重営倉に押し込められていた志賀一等兵(天本英世)も加えて出かけていきます。

 

命がけの決意と、小杉曹長の名指揮によって見事に「焼き場」を奪取した一行でしたが、本部との連絡手段がなく補給も援軍も呼ぶことができません。

八路軍の無線を直してなんとか呼んだ援軍も、その救援のトラックさえ八路軍に襲撃されてしまいます。

 

そこに、小杉を慕っていた朝鮮人慰安婦のお春こと金春芳(団令子)が命からがらたどりつき、若き隊員たちはお春を死守するという共通の目標のもと、またお春の力によって、兵士としても、男性としても「男」になっていきます。

 

しかし、そんな平和も束の間、闇夜に紛れて夥しい人数の八路軍が「焼き場」に迫っていたのです───。

 

◆◇◆感想◆◇◆

 
この映画は、なるほど秀逸!!
 

まず、三船敏郎と仲代達矢。

この2人は、やはり名コンビを越えて黄金コンビと呼ぶにふさわしい。

正直、この2人だけで充分見せてくれる映画でもあります。

 


本来、軍楽隊たちも主役級なのです。

しかし、若い上に人数が多いし、みんな同じような顔をしていて見分けがつかないのよね。イッチャワルイケド

 

彼らを見分ける方法で一番わかりやすいのが、持っている楽器で見分ける事なんですが、それも楽器を持っていないシーンが多いので誰が誰だかw

実際、小杉曹長なども名前ではなく、「おいクラリネット!!」という感じで楽器名で呼んでいます。

 

なので、あくまでも脇役としての位置付けになってしまっています。

 

しかし、銃も持った事がない軍楽隊。

軍楽隊ってあまり詳しくないんですが、基礎的な歩兵の訓練くらいは受けなかったもんでしょうか? まったく銃を持ったことがない、なんてことあるのかな?

まぁ、仮にやったとしても兵士として立派に戦えない事には変わらないかもしれませんが。

 

そんな彼らが、一端の兵隊として徐々に成長していき、別の意味でも「男」となって、最後の終戦の日に全滅してしまう、という設定は見ていて涙を隠せないものがありました。

 

また、三船敏郎、仲代達矢、軍楽隊のみならず、脇役なのに準主役とも言える働きを見せてくれた葬儀屋さん。料理人さん。

 

やー、葬儀屋さんのこの人柄がいいですねぇ。

この葬儀屋さんも、敵と戦うなんて怖くてできませーん。敵が来たら、まず逃げます!!な人。

でも、誰も憎めない、憎まれない愛されキャラ。そして童貞。

 

料理人は佐藤允さんですが、佐藤允さんは荒くれ兵隊をやらせたら天下一品ですよね。

最近(最近か?)だと、二百三高地でヤクザな兵隊さん役をやって、極寒の旅順で裸になってウォッカを飲み干してウォーした、あの人です。

彼の「ちっきしょう」は、実に名言です。

 

そして、お春ことお春こと金春芳。

このお春は朝鮮人慰安婦なんですが、この作品のヒロインです。

 

この映画は明確な反戦映画ですが、この作品内の中でも朝鮮人慰安婦だからと、差別されていたりはしません。

当時は日本人慰安婦も、朝鮮人慰安婦も対等であったようで(あくまでこの映画内のハナシ)、彼女はお金を貯めて故郷に帰ることを夢見、またその夢がもうすぐかなうというところで、悲しい結末を迎えてしまいます。

 

そう、当時の日本映画は必ずしもハッピーエンドにはならない。

映画はハッピーエンドが真骨頂である、というのはディズニー映画が流行ってからの風潮なような気もしますが、必ずしも幸せな終わり方をするとは限らない。

 

不幸な終わり方をするからこそ、忘れえぬ余韻があり、戦争とは何か、幸せとは何かを観客たちに深く考えさせるきっかけになる。

 

そんな、古き良き映画というものを改めて味あわせせくれる、珠玉の一本でした。

 

 

 

 

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