みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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山上の不思議な空間 伏見白赤稲荷社 参拝記(横須賀市)

横須賀市の田浦というところがあります。

田浦梅林が有名なので梅の時期ともなれば多くの人が訪れますが、それ以外の時期はぱったりと人手が無くなる静かなところです。

 

また、自動車が通るのが大変そうな狭い道ばかりで、なんといっても制限速度20キロというほどです。

みうけんは原付であるから狭い道でもどこでも入っていけるから良いものの、もし前のセレナ(けっこう大きな日産車)がいまだに愛車であったならば、ここにはなかなか足が向かないでしょう。

 

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そんな田浦の里のずっと奥に、千本鳥居が見事な伏見白赤稲荷社という神社があるという情報をいただいたので原付でブンブンと住宅街をぬってやってまいりました。

やはり細い道には125ccがちょうどよい。

入口には大きな石碑が建てられており、ここが稲荷社への参道であることを物語っています。

 

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大きな石碑が建てられた道のわきに、「奉納 白赤稲荷大神」と大書された白いのぼり旗がたくさん並んでいるのが実に目立ちます。

原付を停め、やっと人が一人通れるような橋で小川をわたっていきますが、この川は蛍の名所でもあるそうです。

 

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その先にはずっと山道が続いています。

だいたい15分は山道を登ります。

道の脇には杖が置かれており、誰でも使えるようになっていますし、途中途中でビールケースが置かれていますが、これは休憩用にと置かれたものでしょう。

ベンチにはちょうどよいので、休憩したいときにはぜひ。


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やがて、広く開かれた土地に出ます。

この開かれた土地には畑が作られており、いろいろな野菜が育てられていました。

このあたりは、昔から「善応」と呼ばれているそうです。

 

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やがて現れる数多くの鳥居たち。

基本的に朱色の鳥居が多いですが、上が白っぽくなった鳥居もあり、白赤という名前を意識してのことでしょうか。

この鳥居は、この山にかつて植えられた杉の木を使って作られているありがたいものだそうです。


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古いもの、新しいもの。

裏には願主のおおまかな住所と名前が書かれていますが、横浜市横須賀市のひとが多く寄進されており、なかには小田原や東京の人からも寄進されているようです。

もともとは地元の人しか知らないような神社でしたが、この光景が神秘的でSNS映えするという事から訪れる人もあるそうです。

それは否定しませんが、せっかくなのでお稲荷様にも参拝しましょうね^^

 

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たくさん寄進された鳥居は、いかにも京都の伏見稲荷大社の千本鳥居を思い出します。

それもそのはず、この白赤稲荷さまは昭和41年に京都の伏見稲荷大社から勧請された御分霊だというもので、これほどたくさん並んだ鳥居というのは三浦半島でも珍しいものです。

 

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いま、この鳥居たちは朽ちているものもあり、傾きつつあるものもあります。

その中でも新しい鳥居が奉納されているものも見られ、また拝殿や賽銭箱は比較的新しく、現在でも宮司さんによって綺麗に管理されており、絶える事なき人々の信仰心をうかがわせています。

二礼二拍手一礼。

 

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拝殿の前に控えているお稲荷さんも、立派なものです。

細身の体は鍛え上げられてた感じがします。

耳をぴんととがらせ、その鋭くも優しい眼差しは参拝に来た人々をじっと見守っています。


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すっかりと参拝をすませ少し休憩してから、元来た道を引き返します。

お稲荷さまがある山上からは、はるか遠くに海を望んで横須賀の軍港と街並みをよく見渡すことができます。

戦争が終わって20年あまりたち、すっかり平和と繁栄を取り戻した横須賀の街。

そして人々の営みを、この白赤稲荷さまはどのようなお気持ちで眺めてきたのでしょう。

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いま、さんさんと陽光が降り注ぐ晩秋の日、落ち葉が積もる山道を歩ていくと、新しい鳥居や古い鳥居がたくさん並ぶ神秘的な光景を再度目の当たりにします。

その鳥居の一本一本には寄進者の住所や名前が刻まれ、それらをひとつひとつ読み上げていくたびに、その人たちが一途に手を合わせお稲荷さまに祈りを捧げるさまが目に浮かぶかのような、そんな気持ちにさせられるのです。

 

 

 

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