小田急線と御殿場線が交差する松田駅・新松田駅のあたりから、御殿場線に沿うようにして丹沢方面へと原付を走らせました。
このあたりはのどかで交通量も格段に減り、原付で走っていて実に気持ちの良いところです。
とちゅう、御殿場線の山北の駅をすぎて秀麗なアーチを描く足柄橋を通りました。
その先には山のふもとを縫うようにして里が広がり、細い郷道がくねるようにして続いています。
途中でわざわざ遠回りして畑の風景を楽しんだり路傍の石仏などを探したりしつつ、「どこへ行くんだ」とナビに怒られながら、ようやく原付のハンドルを「洒水の滝」へとむけて走り続けました。
やがて、道は行きどまりになって駐車場へとつながっています。
この時は新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されて久しいときでしたが、駐車場は閉鎖されたままになっていました。
しかし、掃き掃除をされていた方にうかがったところ洒水の滝そのものは途中から遠めに拝観が出来るという事でしたので、ちょっとお邪魔させていただくことにしました。
原付を止めて歩いていくと、中は綺麗に整備されていました。
うっそうとした森林の中に伸びていく道はひんやりと湿っており、まさかヤマビルでも出るまいなとビクビクしていましたが、この時はヤマビルに会うことはありませんでした。
途中、ベンチもありシャッターが閉じられているものの軽食屋や売店も残されていて、かつては多くの人でにぎわったであろうことが俄かに想像できるのです。
途中、石棺がありました。
意外と小さなものですが、古墳時代の石棺だったものが墳丘が失われて石棺だけが残ったのだ、という言い伝えがあるようです。
ただ、人の体を納めるには少々窮屈な気がします。
骨壺ならなんとか・・・という感じです。
脇には古くなった説明版が建てられており、読むのに難儀します。
最初は原文のままで引用させていただこうと思いましたが、ちょっと読み切れないので写真で載せる事とさせていただきます。
この看板も数年したら、もっと読めなくなるかもしれません。
皆さん、どうぞ心の目で読んでみてください^^
文中には「秀円上座」という言葉が出てきます。
検索してはみましたが北海道の中華料理屋がヒットするばかりで参考にはなりませんでした^^;
しばらく行くと、赤い橋が見えてきます。
この先に洒水の滝と穴不動があるはずです。
奥からは滝が豪快に流れ落ちる音と、水滴がミストになって舞ってくるのがよく分かります。
見えました、これが洒水の滝です。
写真では小さく見えますが、思いのほか立派な滝です。
・かながわの景勝50選 昭和54年(1979年選定)
・名水百選 昭和60年(1985年選定)
・日本の滝百選 平成2年(1990年選定)
・かながわ未来遺産100 平成13年(2001年選定)
と、多くの指定をうけた名瀑で、滝壺までの遊歩道は上の写真のとおり赤橋から通行止めとなっているものの、赤橋手前から見上げる滝の姿は実に迫力があります。
橋を渡ることはできませんが、橋ごしに穴不動尊の穴が見えます。
iphoneのズームを最大にして、やっとこの大きさで写すことができました。
この不動尊は、この洒水の滝で100日間もの間滝行をされたという鎌倉時代の名僧、文覚上人が自ら安置したといわれるもので、滝不動尊とも呼ばれているそうです。
残念ながらお不動様のご尊顔を拝することはできませんでしたが、この位置から御真言をあげさせていただきました。
すっかり納得したので、原付を止めた駐車場まで歩いて戻りますが、途中で「幸せダルマ」なるダルマさんを見つけました。
その詳しい由来などは分かりませんが、比較的新しいもののようです。
きっと、撫でれば幸せになれるといった類のものかと思いますが、この表情がなんとも言えませんね^^;
うっかり手を出したら噛みつかれてしまうのでは、と思ってしまいました・・・
バチあたりですいません!!
長い階段を上ると見える秀麗な本堂。
本堂下に並んだ水子地蔵さんに奉納された、たくさんの風車が一斉に回るのが実に壮観であり、なんだか物悲しくもありました。
今回は、ちょっと息抜きとして訪れたので詳しい由来がどーの宗派がどーのといった小難しい話はないのですが、なんとなく仕事で疲れていた心身を森林浴でリフレッシュさせることができた、貴重な時間でした。
山北町観光協会のサイトには、
滝沢川(洒水の滝遊歩道沿い)災害復旧工事に伴い遊歩道(公園から洒水の滝の間)が終日通行止めとなります。(土日を除く)観光客の皆様方には大変ご迷惑をお掛けいたします。ご理解ご協力をお願いいたします。
通行止め期間:8月24日(月)~12月の終日(土日を除く)
とあります。
参観に行かれる方は、一度チェックされていくのがよいかもしれません。