みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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無念の殃死者を慰める 踏切脇の轢死者溺死者追善塔(横須賀市)

JR線田浦駅前の国道16号線を北上すると、ほどなく横須賀線の線路の下をくぐることとなるが、横須賀線の線路を過ぎてすぐ左側の路地へ入っていくと、さらに左へと入り込む路地があり、その路地の奥に静円寺(じょうえんじ)踏切がある。


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 静円寺というのは、すぐ近くにある日蓮宗の古刹である。

天文5年(1536年)法泉院日保の手により開山され、江戸時代にいっとき無住となり荒廃するが明治37年(1904年)真妙院日運により再興され現在に至るという。


この静円寺踏切があるところもかつては境内であったというが、陸軍の命令により軍用線として横須賀線の工事が始まるに伴い接収されていったのだという。

 

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この静円寺踏切の脇には、訪れる人も少なく、古びるにまかせた一基の石碑がぽつんと残されているのが目につくが、この石碑は 「轢死者溺死者追善塔」と刻まれ、建立は大正13年9月、帝国在郷軍人会 田浦町分会 田浦班となっており、真新しい卒塔婆があげられて供養されているようである。


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その卒塔婆には「南無妙法蓮華経」の御首題と、「JR横須賀線轢死者之諸霊」と記されており、かつてこの地で起きたであろう鉄道人身事故の犠牲者を供養したもののようである。

はまれぽでは、関東大震災の犠牲者を追悼したものとされているが?)


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このような轢死者供養塔は、横須賀線沿いにはいくつか作られており、以前当ブログでも久木踏切の轢死者供養塔を掲載したことがある。

 

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ところで、この静円寺踏切「轢死者溺死者追善塔」が建立された大正13年9月、この追善塔を建立した帝国在郷軍人会 田浦町分会 田浦班により、もう1基の供養塔が建立されている。

 

こちらは海上自衛隊の近く、新船越隧道下り線の出口横にあるもので、今となっては供養する人もいないのであろう、すっかり草に埋もれてしまい通りすぎる車の埃をかぶるばかりである。

 

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こちらは「殃死者群靈寶塔(おうししゃぐんれいほうとう)」といい、こちらは紛れもなく関東大震災の犠牲者の霊を慰める供養塔であろう。


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殃死というのは、大義では「予期せぬ災害や災厄により死亡する事」であるが、まさに関東大震災は降って湧いたような災厄に他ならず、平和な昼餉どきだった人々を襲い、多くの尊い命が奪われた事は明らかである。

 

当時は、このような片田舎の小さな踏切には満足な遮断機もなく、また鉄道とは人よりも早く走るという今では常識めいた事でも、それを予測せずに汽車が近付く踏み切りを渡ろうとして亡くなった方が多かったという。

 

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そのような時代、多くの人が鉄道事故関東大震災により、愛する家族や我が家を残したまま、予期せぬ死を遂げたのである。

その無念たるやいかばかりか計り知れず、死後の霊となっても現世を彷徨うと考えられたのも、当然だったのだろう。


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今や鉄道での人身事故や、海や川での水難事故で命を失う人は毎日のようにニュースになっているが、当時は全国ネットのニュースなども乏しい時代であったから、同じ村の住民が痛ましい死を遂げるというのは、まさに青天の霹靂であったろう。

 

いま、この物言わぬ慰霊碑の前に1人ひざまづいて向き合い、合唱しながら目を閉じていると、遠くから聞こえてくるコオロギの寂しげな羽音が犠牲者たちの無念の慟哭に重なるようで、突然に降りかかる無情をそくそくと感じるのである。

 

 

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