久々に美味しいお寿司が欲しくなって汐留へ。
汐留には「カレッタ汐留」なる高所恐怖症泣かせの高層ビルがあるんですが、その46階にある「美寿思」さんにやって参りました!!

カレッタ汐留の上にある・・・といいつつ、実はこの「美寿思」さんは創業は安政年間のはじめだそうです。

幕末、ペリー艦隊が浦賀に押し寄せた頃の創業で、もう170年もの歴史を誇るお店です。
本格の江戸前寿司らしく赤酢にこだわり、素材の旨さを最大限引き出すために手間を惜しまない手練れの技の数々をじっくりと楽しめるお店なのです。

◆獺祭 3割9分(グラス:1500円)
2013年の全米日本酒鑑評会にて金賞を受賞した純米大吟醸。
妻ちゃんがお気に入りのお酒で、うまいうまいと言ってクイクイ飲んでました。

やはり美味しいお寿司には美味しい日本酒で、しかも冷酒(ヒヤ)がいいですよね。
みうけんはお酒をやめているので「烏龍茶」(700円)ですが、それでもお寿司と日本酒の相性の良さはよく分かります。

◆風濤(ふうとう)鮨懐石コース(22000円)
せっかく来たんだから、ちょっと良さげなコースを予約しておきました。
全17品のお料理の一品一品に職人さんの気持ちが込められていますよね。
◆前菜(養老豆腐と旬魚の昆布〆 梅肉のソースで)
のっけからやって来ました、豪華な一皿!
真鯛の昆布締めは身がトロリと軟らかいのに、しっかりと締まっていて食感もよく、昆布の風味も最高です。
養老豆腐は、山芋を固めたものでユズの香りもしっかり。

◆前菜(厳選但馬鴨のパテとロースト)
続いての前菜2品目ですが、これはお寿司屋さんとは思えないスタイリッシュさ!
但馬鴨のローストは旨味が強く、しっかりとした食感と味わいは肉食欲をこれでもかと満たしてくれますねぇ。

まるで和風フレンチのようなパテも、ものすごく濃厚でしっかりレバーが入っています。
上に乗っているのが大葉ではなく、紫蘇というのがいいですよね。

◆逸品(海鮮ユッケ美寿思風)
マグロ・カンパチ・真鯛・サーモン・イカをたたき、海鮮ゴマダレでユッケ風に仕上げたもの。
西洋野菜であるチコリに乗せていただきまーす。

んーー、チコリがほろ苦くてシャキシャキ。甘くてトロリとしたお魚のユッケによく合います!
濃厚な風味の味噌だれが味わいがしっかりしていて、魚とよく合うのも良いですよね。

◆作・奏乃智(グラス:1300円)
こちらは純米吟醸。フルーティで清涼感のある瑞々しいお米の香り!
スッキリと綺麗でお寿司によく合う味わいのお酒とのこと!

◆焼物(旬魚の鳴門巻き キノコの菊花餡かけ)
この日は秋の味覚・秋刀魚! その下には大根が隠してあります。
秋の秋刀魚と大根は旬ですよねぇ。

秋刀魚は身がふっくらしており、焼いた香ばしさと脂が乗った美味しさが良いですよね。
大根にはしっかりとアンがかかり、しっかり出汁が効いていて、これだけでご飯が2杯は行けそうな美味しさ!

◆揚物(甘鯛の松笠揚げ)
稲穂を素揚げにしたものと一緒に出て来ました! 松笠揚げはウロコと一緒に揚げたもの。
サクサクな食感がすごく良く、中はふわふわ! ウロコを割っていくザクザクという音だけで楽しめる逸品です。

食材の下に敷いてある金山寺味噌がものすごく良いアクセントになっていますねぇ。
淡白ながらしっかりした旨味のお魚、ガッツリと効いた金山寺味噌、プチプチな稲穂の食感が嬉しいですよね。

さぁ、ここまで来て特上握り8貫の開始です!
職人さんがサッサッと握って、美味しいのが次々と登場です!
◆ヒラメ
シャリは赤酢で、爽やかな美味しさ。
ねっちりと柔らかく、旨味が溢れるヒラメの美味しさは1貫目にふさわしい美味しさ!

◆コハダ
キラッキラな肌の輝きは江戸前の鏡!
酢で〆た香りがすごく良くて、香りと食感を楽しめる美味しいコハダでした!

◆カツオ
キリッと辛子醤油で頂く美味しいカツオくん。そういや、まだ今年はまだ食べてなかったなぁ!
ギュムッと噛むとお口の中に広がる力強い旨味はカツオくんならでは!

◆カマス
今年は脂のノリが良くて美味しいそうで、そんなカマスさんをサクッと炙って頂く瞬間!
うーん、脂の焦げた香りがお口の中に広がって、身のねっちり感との相性も抜群ですねぇ。

◆車海老
うーむ、さすがは海老の女王様! キリッと茹でて、おいしくカラをむいた美しさは芸術の域。
パクッと食べると、あまりに甘くて濃厚な海老の旨味!
しっぽの部分の甘味、味噌の部分の旨味が一挙に押し寄せて、身がプリッと甘くて、これは永遠に噛んでいたい!

◆中トロ
お寿司と言ったら、中トロ。現代ならではのマグロの楽しみ方ですよね。
カナダ産の中トロは、しつこくなくてサッパリ。
中トロなのに赤身かと思うようにサッパリしており、ギトギトしていないので負担なく食べられますねぇ。

◆鳳凰美田(グラス:1000円)
しっかりとフルーティさがあり、トロリと甘味のある純米大吟醸。
お米の良さをふっくらと感じる、豊かでふくよかな味わいとの事でした。

◆カマトロ
マグロのカマからとれる希少部位で、これが食べられるのは嬉しいなぁ!
マグロの味が濃ゆくて、脂っこすぎないのに味わいしっかり、程よい酸味が素晴らしい!

江戸時代は冷蔵技術の関係もあり、トロは食べられずに捨てられていたのだそう。
今でこそ美味しく味わうことができて、この時代に生まれて良かったなぁと思える逸品です。

◆イクラとウニの小丼
まさに海の宝石! お寿司屋さんの定番・小丼は小さくてもシアワセいっぱいですよね。
たっぷり乗ったキラキラなイクラとウニを、スプーンですくって食べると幸せまですくっている感じがします。

小鉢のイクラはプリップリで新鮮で、お口の中でプチプチ弾けて美味しいですねぇ。
ウニは美しいムラサキウニで、豊かな海藻をしっかり食べたからこその海藻の旨味を、しっかり感じます。

◆アナゴ
ふわっふわで、トロットロで、こんな柔らかいのよく握れるなぁと感心です。
青いユズをかけてサッパリと、しかし「海底ですっ!」という香りがしっかり主張して香ばしい!
お口の中でトロトロとトロける、このこの美味しさはなんなのか!

◆干瓢巻き
上方では鉄砲巻きとも言いますね。海苔と胡麻の香り、干瓢の甘さと舎利の酢かげんが絶妙な逸品。
シャクッと甘辛な干瓢に、キリッと効いたワサビが実に良いアクセント!

◆カステラ
白身魚でしっかりと練り上げてふっくらと蒸したカステラは、ふわふわしっとり、ねっとり甘い!
最初は甘さをあまり感じなかったのですが、後から後から濃密な甘味がやって来て美味しいですねぇ。

◆デザート
渋皮栗のマロンペースト・マスカルポーネ添え。
ソースがまるでリンゴのような甘味と、桃のようなフルーティさを兼ね備えています。

脇にはたっぷりと散りばめられたクルミのツブツブな食感が主張していて、食後のお茶と一緒に頂くと素晴らしいデザートでした。
本当に、最初の一口から最後の一口まで、そのどれもが洗練されていて抜かりのないもの。まさに職人芸の結晶を見せていただいたような感じでした。

◆◇◆後記◆◇◆
今回頂いたのは、カレッタ汐留・「美寿思」さんの風濤(ふうとう)鮨懐石コース(22000円)。
この内容であれば充分にコストパフォーマンスも良く、またぜひとも来たい!と思わせてくれる充実した内容でした。

汐留だけではなく、東京には美味しいお寿司屋さんはたくさんありますが、その中でもここ「美寿思」さんは一度は押さえておきたいお店。
夜景の見える個室などもあるようなので、接待にもデートにも、どのようにも利用しやすいお店だと思います。
お試しを!
★☆食べログもごひいきに願います☆★
美寿思 (寿司 / 汐留駅、築地市場駅、新橋駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5