アルヒ、ハレノヒ。
夫婦で東京へ来る機会がありましてね。
ちょっと美味しいのでも食べていくかぁ~という事で、いろいろと検索しました。
すると、けっこう近くに麻布Lasenなる良さげなお店を発見!!
場所は地下鉄の麻布十番駅~六本木駅の間くらいです。
電話をすると、運よく個室が空いているという事ですべりこみセーフ!!
このご時世、密は避けたい。
しかして、美味しいのは食べたい。
そんな時に、こういった個室があるというのは助かりますねぇ。
お店じたいはコインパーキング脇のビルの5階に入り口があります。
その上の6階もお店になっていて、上下階はオシャレな螺旋階段でつながっています。
この階段が店名の由来なんだとか。
まるで、芸能人が「お忍び」で来ていそうな、隠れ家的なお店なんですよ。
しかし、実際に入ってみると意外と広々としており、清潔感もあります。
店員さんは丁寧で穏やかな笑顔。
親しみやすい接客で、実に心地よいなぁ!!
さっそく個室へと案内していただきました。
個室は、内装が凝っていてオシャレなのに、実に落ち着くねぇ。
シャンデリアなんてさがっちゃってさ!!
どこのセレブよ!! おほほほほほ。
この個室には、テラスもありました。
眺めがよく吹き抜ける風も心地よくて、とりあえず可愛い細君をパチリ。
さて、戯言はこれくらいにしまして、今回いただいたのは~。
「シェフお薦めコース」(9900円)
税込ですが、別途サービス料がかかります。
おしぼりからはレモングラスの香り。
香りを大事にするお店です。
◆◇ドリンク◇◆
ドリンクは別会計ですが、右が「シャーリーテンプル」(990円)。
左は「ブラッドオレンジのアイスボール」(1100円)です。
時節柄、ノンアルコールのみとなりますが、それでも満足感は高いです。
このドリンクのビジュアルというのは女性にとっても大切ですよね。
ここでは、ストローの断面がハート型であることなど可愛い要素が多くて、うちの奥さんもとっても喜んでテンションが上がりまくりでした。
◆◇アミューズ◇◆
マンゴーとトマトを使った冷製スープ「ガスパチョ」。
見た目もまるでカクテルのようで、実に可愛い。
混ぜてから頂いてみると、しっかりとした甘味が口じゅうにやってくる。
そうかと思うと、トマトの酸味がキリッと効いてきて実に涼しげですね。
上には紅芯大根と、コリンキー(生で頂けるかぼちゃ)の千切りが載っています。
これが、実にシャキシャキで新しい美味しさです。
◆◇前菜◇◆
自家製の燻製バターは、まるで生クリームのような繊細な舌触り。
しっかりと鼻腔をつらぬくスモークの香り、後からジワッとやってくる塩気が効いています。
このバターの味じたいもけっこうな濃厚な味で、パンが進みますねぇ。
特に、クルミいりであろう黒パンが美味しいなぁ!!
美味しくて、美味しくて、ついついお代わりしてしまいました。
なんだか野性味あふれるお皿で登場したのは、エゾジカとフォアグラを使ったパテ。
このお皿、どこで買ってくるんでしょう。これだけでインパクト強いです。
パテの下には、チョコとピンクペッパーかな。
しっかり敷かれていて、つけながら、つけながら頂きます。
エゾジカは、正にジビエですよね。
大地の味を感じる、武骨な肉のおいしさがあります。
そこに、フォアグラのコッテリとした深いコクが合わさってます。
もうね、一口食べるごとに奥さんと一緒に悶絶。
いや、ここまで豪快かつ繊細なおいしさは、初めていただきました。
生きててよかったと思えるおいしさです。
次は、フタつきのお皿で堂々の登場。
カツオのミキュイです。
フタをあけると、ふぁぁぁぁぁーっ!!!とスモークがあふれ出ます。
お店の方が、ぜひ動画でどうぞーとおっしゃるので動画で撮っちゃいました!!
食べログには動画が乗せられないのが、悔しい!悔しいよ!!笑
ミキュイというのは「半生」を意味するフランス語。
その通り、カツオの生の部分の甘さと、火の通った部分のコクが同時に味わえます。
皮の部分は、カリカリで実に香ばしい!!
フレッシュなポルチーニのソースとの相性は言うまでもなく最高です。
このソース、ブルーぅチーズ~ぅ~な香りもしっかりとしているのよね。
スタッフさんに聞いたわけではないので憶測ですが、これはチーズ好きには嬉しい後味です。
と、ここまでが前菜なのです。
これだけで文字数がけっこういっちゃうくらい気合いが入るお食事ですよ。
◆◇パスタ◇◆
生ウニとサルデーニャ産カラスミを使ったパスタ。
お店で人気ナンバーワンだそうですよ。
さもあろう。
ウニがね、もう・・・ ウニが・・・
まさに、お口の中がパラダイスですよ。
サルデーニャ島は地中海に囲まれたイタリアの離島で、海鮮料理の宝庫です。
ここで生産されるカラスミはボッタルガと呼ばれ、いろんな魚で作られるそうです。
このカラスミの粉末をまぶしたパスタはイタリアでは人気料理である、と聞いたことがありますが、まさか麻布で食べられるとは。衝撃の嵐です。
このカラスミの、キュッと凝縮された魚介の、しかもハラコさんの旨味は一度は食べる価値があります。
麺の茹で加減も絶妙で、食べるごとに口に広がるウニのコクと、カラスミの風味が織りなす奥深い味わいは、まさに至福そのものです。
ここでドリンクをお代わりしてしまいました。
写真の右が「ヴァージンモヒート」(1100円)。
左は「マスカットビネガー」(1100円)です。
◆◇メイン◇◆
ここまで来て、ようやくメインにたどり着きました。
これまた、添えられた野菜の切り方ひとつひとつに至るまで、実に丁寧に作られています。
今回はマグレ・ド・カナール。
すなわちフォアグラを作るために育てられた鴨の胸肉です。
肉全体に、フォアグラの風味がしっかりと残っているのが素晴らしい。
皮目には、少し炙り目をつけてあり、カリカリと香ばしい!!
その下にはしっかりと脂を感じるので、これも食べ応えがありますねぇ。
ソースは赤ワインとトリュフで整えられています。
肉自体の食感も良いので、肉食ってるぞぉぉぉぉぉぉぉ!!って感じを存分に楽しめるのが男性にも良いところ。
◆◇デザート◇◆
季節のフルーツを使ったシャンパンゼリー。
上にココナッツのパウダーが載っています。これを上下よくかき混ぜて頂きました。
ゼリーの中にはぶどう、かんきつ、ベリー類などの果物がたくさん入っています。
どれもジューシーで、新鮮だったのでプリプリな食感が良かったですね。
シャンパンの大人な風味と、ココナッツの素朴な甘味が絶妙にマッチしています。
そこに、上に載せられたミントが口の中を一気に爽やかにしてくれます。
このデザートも、このレベルの高いコース料理を締めくくるのにふさわしいレベルの高さだと思います。
◆◇小菓子・12種から選べるカフェ◇◆
小菓子は「チャンバリーナ」「サブレディアマン」の盛り合わせでした。
チャンバリーナは、一口サイズのフォンダンショコラ。
サブレディアマンは、周囲にまぶした砂糖をダイヤモンドに見立てたクッキーです。
カフェは「ストロベリーピスタチオ」「ホットのブラックコーヒー」を頂きました。
ストロベリーピスタチオはイチゴの香りと甘さが効いています。
ピスタチオの香りもしっかりと効いていて爽やかなだけではなく、量もしっかりとあり飲みごたえもありました。
このカフェは種類が多いだけではなく、事前に試験管に入ったサンプルが出てきます。
このサンプルの香りを実際に試して感じて選んでください、という事ですが、ここまで香りにこだわっているお店はなかなかありません。
そういえば、おしぼりにも爽やかな香りがついています。
このお店は、味、見た目などのほかにも、「香り」を特に重視されているよう。
ここまで「五感で楽しむステキなお料理」というものには、なかなか出会った事がありませんでした。
どこからどこまでも丁寧なお仕事ぶりに、ただただ頭が下がるばかりです。
このお店は、正直に言いますれば、またわざわざ横浜から食べに来たいお店です。
コースの一品一品、スタッフの方の一挙手一投足までが洗練されていて、すべてにおいて非の打ち所がないお店でした。
スタッフさんの接客も明るくて親しみやすく、なんでも相談できるといった感じ。
帰宅の際には、シェフの方もわざわざお見送り下さって実に好感度が高いお店でした。
このお店は、コース料理の洗練されたスタイル、まさに至高と呼ぶに相応しいお味。
さらに、隠れ家的で落ち着いた店内、さらに個室に区切られて感染症の心配もなく美味しくゆったりと会食できる環境。
ここまで至れりつくせりというのも、なかなかないだろうなと思います。
一緒に行った奥さんも、車の中でずっと余韻に浸っておりました。
是非とも、また横浜から訪問したい。
そう、「ついで」ではなく、「このお店を目的地」として。
心からそう思える、心にも体にも栄養を与えてくれる、ほんとうに素晴らしいお店だったのでした。
再訪希望値:★★★ 是非とも行きたい
【みうけんさんおススメの本もどうぞ】
★☆食べログもごひいきに願います☆★
麻布Lasen (イタリアン / 麻布十番駅、六本木駅、広尾駅)