みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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狸か狐が化かしたか 見上げる大きさ 見つめ入道の伝説(相模原市中央区)

相模原市上九沢の横山下にある鳩川谷の水源から始まり、下溝のあたりから相模川に流れていく小川を、「鳩川」と呼んでいる。

 

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相模線の番田駅の東側に鳩川にかかる小さな橋があり、その名を「今橋」というが、このあたりにはかつて「見つめ入道」という妖怪が出たという伝説が残っているのである。

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通常、「みつめ入道」というのは目が3つある「三つ目」をさすのであろう。

だが、ここの伝説では三つ目ではなく、通る人をじっと見つめる「見つめ」なのだという。

 

昔、このあたりに住む権兵衛という老爺がいた。

隣の村での婚礼の帰り、すっかり酔ってしまった権兵衛は千鳥足で今橋を渡っていた。

 

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すると、どうだろう。

どうも首筋の辺りに、なにやらぞくぞくとする冷たいものを感じるではないか。

気になった権兵衛は手で首筋を触って確かめるのであるが、特に変わった様子もなく、しかし冷たい感じが取れるわけでもない。

 

そこで権兵衛が後ろを振り向くと、見上げるような大きな怪物が、また大きな目をむいて立ち、権兵衛をじっと見つめていたのである。

 

すっかり腰を抜かしてしまった権兵衛は、ほうほうの態で家にたどり着くと、今あった事を村人に話して聞かせた。

たちまち村は大騒ぎとなり、怪物を退治してくれんと勇気ある村人たちが手に手に鎌を鍬を持ち、今橋に駆けつけたが見つめ入道はすでになく、権兵衛が置き忘れてきたお土産のご馳走の包みと共に、消えて姿は見えなくなっていたのである。

 

結局、この話は狸か狐の仕業だろうという事になってしまったが、このような小さな川の、地図に名前すら載らないような小さな橋にも、このような民話が残されているというのが実に興味深い。

 

 

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