今回の映画は韓国映画「奴隷の島、消えた人々」を見ました。
韓国では2016年公開、日本では2017年に公開されたものの、さして大きな話題にはならなかった映画です。
この映画の舞台は、韓国の田舎町、全羅南道新安郡にある小さな離れ小島である「新衣島」という島で実際に起きた現代の奴隷労働事件がテーマとなっています。
この事件は、「新安塩田奴隷労働事件(しなん えんでん どれいろうどうじけん)」と呼ばれており、まだそう遠くない2014年2月6日に発覚した事件で韓国の世論を大いに騒がせました。
韓国の中でも指折りの、超弩級がつくくらいのド田舎の、さらに離島であった全羅南道新安郡にある小さな離れ小島である「新衣島」。ここは元来、大変質のいい天然の塩の名産地としてブランド化されたところで、その名は「旨い塩」の代名詞となるほど。
日本でいえば「はっかったの シオ!!!」くらいの知名度でしょうか。
しかし、海風厳しいド田舎での塩田の作業は苦労の極みで、国からは大した援助があるわけでもなく、かといって所詮塩ですから高額で取引されるものでもなく、そんな仕事につく若者もほとんどおらず、塩田経営者は慢性的な人不足に悩んでいました。
そこに目を付けたのがヤミの職業あっせん所。もうあっせんどころではなく、人身売買業者です。
人身売買業者は、ソウル駅などで物乞いをしていたホームレスや、知的障害のある男性を狙って誘拐。
または、きちんと食事をさせてくれる職場があると甘い言葉をかけては連れてきて、この塩田業者に10万ウォンから30万ウォン(日本円で約1~3万円程度)で売り渡していました。
その知的障害者たちは、ここからは絶対に出られないと洗脳され、満足な衣服も食事も与えられず、エアコンもない吹きっさらしの倉庫で睡眠は一日5時間だけ。少しでも逆らえばスコップや鉄パイプ、角材でリンチされるので、ただ従うしかなかった奴隷状態だったといいます。
中には脱走を図ったものもいましたが、この塩田経営者はいわば村の名士。
村人にかくまわれることもなく、むしろ警察までがグルになり、即座に経営者に密告されて連れ戻されていたといいます。
塩を作らない季節は養魚場や建設現場での労働に従事させられ、被害者数は100人以上にのぼり、またこの近辺では身元不明の水死体が見つかることもしばしばあったといいます。
実際は散髪に行った知的障害者が、故郷の親許に向けて救いを求める手紙を理髪店に託し、その手紙を読んだ両親の通報によってソウル市九老警察署の捜査が開始されたのが事件発覚だとされているのですが、この映画は情熱に燃える女性記者がカメラマンと二人だけで潜入取材を敢行し、数々の妨害や密告にさらされながら真実を暴いていくという展開になっています。
それにしても、この写真に写っている男性。
これは知的障害者の中でもキーマン的な立ち位置にあり、この男性に対する取材を通して話が大きく展開していきます。この男性が、いかにもといった感じですよね。
ずっぽりと役にハマッています。
個人的には、もう少し無精ひげだったらリアリティあったかな。
この男性は배성우(ペ・ソンウ)という方なんですが、ふだんは渋い俳優なんですよ。
いくら役回りといえど、ハマりすぎです(笑
この事件は全国で大いに報道されて大きな話題になりました。
当時のパク・クネ大統領が「この21世紀に有り得ないような衝撃的な事件である」と、徹底した再発防止を自ら指揮したほどです。
これにより、この地域の塩もブランド力を大きく下げてしまい、さらにこの数年後に起きた女性教師に対する性暴行事件もあって世間の大きな非難をも浴びる結果となりました。
この映画は、事件発覚の経緯などが実話とだいぶ違っているし、働かされている知的障害者も数人しか出てこないので、およそ実話・ノンフィクションとは言えません。
実際は塩田経営者は3年だか4年だか刑務所に送られて、その罪の軽さがまた批判されたりもしたんですが、映画では経営者は殺されちゃいますw
しかし、事件の内容は現実とは違うものの、そう遠くない過去にこんなことがあったのかと、逸話として見ておいて損はない映画だと思います。
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