村上もとか著「水に犬」全1巻 完結
タイは、東南アジアの中でも経済の優等生。
観光地もたくさんあり美食の国、微笑みの国として喧伝されている裏で、根深い汚職とワイロ行政、一向に改善しないエイズの蔓延など数多くの問題を抱えています。
タイにはびこる凶悪犯罪に立ち向かうのは警察のワッサン大佐。
他の同僚が巨額なワイロで高級な外車を乗り回す一方で、ワッサン大佐は一切のワイロを受けずに、給料をためてやっと中古車を買う清廉ぶり。
ワッサン大佐は身内の汚職もするどく切り込んで行きますが、それを根にもつ連中にスキを与えないため、足をすくわれないためでもあるのでしょう。
その代わりに命を狙われ、ワッサン大佐の車を自動車泥棒が盗もうとエンジンをかけた瞬間に爆弾で木っ端みじんにされたりしています。哀れなるは自動車泥棒かな。
この漫画の特筆すべきところは、やはり食事シーンでしょう。
漫画の本題並みに力が入っており、ページ数が限られた中で食事シーンに4ページも使うほど 笑
このワッサン大佐はタイという混濁した川を必死に泳ぐ犬である、と自らを形容しつつ非常な美食家で、話の度に美味しそうな食事に大汗をかいています。
たくさんの料理をガッツリと平らげ、「タイの料理は世界で一番官能的な味だな」と評するワッサン大佐。
みうけんもタイ料理は大好きなので、一度でいいからワッサン大佐と一緒にガッツリ食べてみたいものです。