深夜の映画鑑賞。
モフセン・マフマルバフ監督、「独裁者と小さな孫」。
ジョージア・イギリス・フランス・ドイツという4カ国合作の大作です。
冷酷非道な独裁者が抑圧と暴力で支配する国で、クーデターが発生した。
政権の座を追われた独裁者と孫は孤独な逃避行を続けながら、宮殿からは見えなかった国民たちの悲しみと怒りを目の当たりにし、責任と罪の意識を感じ始める───────。
日本では決して商業ベースに乗らない、無名にも等しい映画であるが、独裁者演じるミシャ・ゴミアシュヴィリはもちろん、孫を演じるダチ・オルヴェラシュヴィリの演技は実に素晴らしいし、忠実な護衛、孫の世話係、床屋、拷問を受けた政治犯、規律の緩んだ元政府軍兵士など、チョイ役チョイ役の俳優たちも、それぞれ型にはまったいい演技をしている。
撮影はグルジアのあたりと思うが、出演者の中には実際にソビエト共産政権の中で艱難辛苦を味わった者もいたのだろう。
それにしても冒頭から終盤まで、一瞬も退屈させない素晴らしい脚本とカメラワークは秀逸。
最後、市民に捕まってなぶり殺されそうになる独裁者と、怒りと復讐に我を忘れた国民たち。
いままで体制に迎合し、独裁者を称賛していたのは誰かと、国民の責任を問いただす政治犯。
首に縄をかけられたまま、彼らの前で絶句し続ける独裁者と孫の姿。
この光景が目から焼き付いて離れず、リビアに君臨したカダフィ大佐をも想起させるリアリティ。
なんとも言えない結末に、いつまでも不思議な余韻を残すところがマフマルバフ映画の真骨頂といったところか。
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