落語の「蕎麦屋の勘定」や「そば清」に見るように、江戸文化の華とされてきたお蕎麦の世界。
「蕎麦前」と呼ばれる逸品料理と日本酒でココロを潤し、最後にキュッと蕎麦で〆る─。
昔も今も変わらない、粋な大人の楽しみ方でございますな。
と、この日やってきたのは横浜市の中でもとりわけ風光明媚な区として名高い金沢区。
金沢文庫駅前商店街にある「蕎麦・酒・小料理 壱」さんとなります。

店内はカウンター席があり、常連さんと思しきお客さまがスタッフさんとニコやかにお話しされながらお酒を楽しんでおられて、多くの方に愛されているお店なんだなぁと感じます。
その奥にはしっかりとテーブル席があるので、今回はじっくりとテーブル席を利用させて頂きました!

◆蕎麦焼酎 佐久の花(長野:650円)
妻ちゃんが飲んだお酒です。本来なら蕎麦湯割りがお店のオススメですが、今回は冷たい蕎麦湯割りで頂いてみました。
ギュッと詰まった蕎麦の香りは濃厚かつ芳醇。それなのにどこかしらフルーティーでスッキリとした味わいだそうです。

◆お通し(350円)
いわゆるひとつの板わさですね。みうけんの好きなおつまみのひとつです。
この板わさが、なかなかブ厚く切ってあって弾力を楽しめる逸品!

さっそくワサビを乗せてパクッと行くと、お口の中にブワッと広がるワサビの本気度ったら!
これは・・・丁寧にすられた香り高さと食感で楽しめるワサビです。
前述したようにブ厚くプリプリなカマボコとの相性もよく、これで350円はお値打ち!

◆天もり(海老天2本と野菜4点:1650円)
海老天1本と野菜3点の「天ぷら少な目」(1350円)もありますが、今回は妻ちゃんが天ぷらをカッ攫うのが目に見えていたので海老天2本で、ね。
ちなみに、お蕎麦は全品とも大盛(+150円)や少な目(-150円)というのも可能です。
まずは蕎麦猪口のツユと薬味が登場。ネギの切り方が細やかで綺麗ですねぇ。

次に頂くのは、色目が濃ゆくてしっかりと香り高いお蕎麦。
お蕎麦は大きく分けて白っぽい更科と黒っぽい田舎がありますが、こちらは個人的に好みの黒っぽいタイプ。

まずは何もつけずにお蕎麦だけをツルツルッと手繰ってみるや、キラキラと輝いた美しい表面。
噛むごとにお口の中に鳴り響くキュッキュッという歯応えと、お蕎麦の香りが実にたまりません。

もちろんつゆをつけて食べるのも、いとをかし。
しっかりと「節」を効かせたつゆは塩味のアンバイもちょうど良く、お蕎麦をたぐる手を進ませてくれます。
気合いの入った香り高いワサビと、しっかりと細かく刻まれた葱も加わって実に美味しい。

このお蕎麦だけで満足感は高いですが、天ぷらも忘れてはなりません。
サクッと揚がった衣に、絶妙な火加減。お蕎麦屋さんの天ぷらって、本当に美味しいですよね。
内容は海老2本に加えてピーマン・しいたけ・ヤングコーン・アスパラガスという豪華さ。

海老は尾頭つきで食べ応えありますよ。
尾の部分はプリプリとしていてもちろん美味しいですが、シャックシャクな頭の部分も味わいが深くて好みですねぇ。

お野菜の天ぷらだって負けていません。それぞれサクサクシャクシャクで食感の良さはばつぐん。
その中でも、旨味がしっかり深くてむっちりとした食感の椎茸は特筆すべき美味しさですよ。

◆ぶっかけおろし(850円)
こちらは妻ちゃんが注文したもので、冷たいお蕎麦です。
たっぷりのつゆは天もりのものよりも、幾分か出汁の風味が強いような気がします。

濃厚なおつゆに、大根おろしでサッパリと。
大根おろしとお蕎麦が五臓六腑に沁みる優しさで、これはホッとできる美味しさですよね。
麺も天もりと同じくキュッキュッと歯切れのよい、お蕎麦特有のむっちりとした美味しさがあります。

お蕎麦屋さんで忘れてはならないのが、蕎麦湯ですよね。
これを楽しまないと、個人的には終われません。

蕎麦のエキスをトロッと溶かし込んだ、濃厚な蕎麦湯。
お湯かえを頻繁にしている綺麗な蕎麦湯もいいんだけど、この時ばかりはトロッとしたのが良いです。

美味しいおつゆに美味しい蕎麦湯。最後の〆にふさわしい、まさに「通」の蕎麦の楽しみ方。
この〆の一杯で身も心も満足となり、嬉しい気持ちでお会計に挑んだのでした。
◆◇◆後記◆◇◆
横浜市の金沢区はかつての景勝地であったところ。
金沢文庫の発展で文学的にも縁が深いところで、当時の文化の発信地でもありました。
そんな中でも、ここ「蕎麦・酒・小料理 壱」さんは金沢区の食文化をになう人気店。
美味しい蕎麦前、丁寧なお仕事を感じさせるお蕎麦で、素敵な夜のひと時をお過ごしになられてはいかがでしょうか。
お試しを!
★☆食べログもごひいきに願います☆★
壱 金沢文庫店 (そば(蕎麦) / 金沢文庫駅、海の公園南口駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0