長崎県の名物料理でもある「ちゃんぽん」の語源は、「いろいろな物を混ぜ合わせた」という意味の中国語であると言われています。
そのため、沖縄の「ちゃんぷる」を初めとして、いろいろな国や地方で料理の名前として使われていますよね。
また、いろいろなお酒を同時に飲むことを「ちゃんぽんする」などと言うときもあります。
今回取り上げるのは、韓国のちゃんぽん。
海鮮と野菜の出汁を活かし、ピリ辛な味つけにされているのが特徴です。
今回紹介する韓国料理屋さん「美波」(ビバ)さんは、鎌倉街道の曙町四丁目交差点から大岡川方面に向かったところにあります。
路地に入ったところなので、通り過ぎないように注意が必要です。
中華料理が日本で独自の進化を遂げて「町中華」というジャンルが出来上がったように、韓国でも独自に発展した中華料理は「韓式中華」というジャンルが確立され、多くの人たちの胃を満たし続けています。
その中でも、こちら「美波」さんはジャジャン麺・タンスユク(酢豚)・ちゃんぽんがお得意なのだとか。
お料理を担当されるマスターはソウルの下町ヨンドゥンポ出身。
日本語はできないものの実に気さくな方で、故郷の思い出や昔のソウルの様子をいろいろと語ってくださいました。
奥様は日本語が堪能な方で、いつもニコニコされていて気持ちの良い接客をしてくださいます。
みうけんは韓国語は日常会話くらい話せるので、韓国語で話しているうちにここが日本である事を忘れるほど楽しかったです。
さて、今回いただくのは冒頭で紹介したとおり。
「ちゃんぽん」(1000円)ハナヨ!(ひとつ)
日本のタクアンと良く似たタンムジというお漬物。
甘いジャジャンソースにつけて食べるのが、いとをかし。
そして華麗に登場した、ちゃんぽんです。
あゝ、お久しぶりです。
韓国でも何杯ものちゃんぽんを食べてきましたが、日本でこれほど美味しそうなちゃんぽんに再会できるとは。
スープはイカや貝、エビなど海鮮の出汁をグイグイと感じるスープです。
韓国らしく、細かく挽いた唐辛子粉で付けられた爽やかな辛味がスーッと体に染み込んで、一気に温まりますねぇ。
麺は、マスターのご自慢の自家製麺なんだとか。
なるほど、麺が実に美味しいです!
パスタのような円い断面の麺は、むちむちでもっちり。
ストレートな麺なのでツルツルと喉越しがよく、それなのにすするごとにスープを置き去りにせず、しっかりと持ち上げてくれます。
具材は白菜、人参、きくらげなどのお野菜がたっぷり。
さらにアサリ、エビ、イカなども入っていました。
エビは好みにもよりますが、個人的には軟らかいと思うので尻尾から頭まで、そのままバリバリと頂きました。
日本人も韓国人も、ここ「美波」さんに来る方はこうして余すところなく堪能される方も多いのだとか。
ピリ辛で出汁がスッキリと効いたちゃんぽんですが、このお店のもう一つの名物はジャジャン麺。
カラメルのような甘いタレに麺を絡めた料理ですが、なんとマスターが自らのお昼ご飯を食べる時に隣に座って一緒に食べて、少し分けてくださいました。
玉ねぎやお肉がたっぷり入り、しっかりと甘みのあるジャジャンソース。
もっちとりとした麺との相性もものすごく良くて、「次回はジャジャン麺を食べにこよう」と思わせてくれる味わいでした。
◆◇◆後記◆◇◆
伊勢佐木モールの中心部からはだいぶ離れて、こぢんまりと営業を続ける「美波」さん。
訪れるお客様も、この界隈に多く住んでコリアタウンを形成している韓国人の方が多く、たまにプロ級に韓国が大好きな日本人が訪れるんだとか。
韓国といったら焼き肉、チゲ、チヂミ。
ある程度詳しい方なら刺身や鍋、ホルモンや豚足といった選択肢もあるでしょう。
それでも、韓国を訪れる日本人の中には「韓国式中華」というのはまだまだ知られざる存在。
知っていても、「韓国に行ってわざわざ中華を食べる」ことから避けている人も多いのでは。
冒頭でも述べたように、この「韓国式中華」は日本で独自の発展を遂げた町中華のように、本格の中華とはかなりかけ離れた物になっているのも事実です。
韓国人たちが愛してやまない、しかし旅行者にはなかなか馴染みがない。
そんな一風変わった韓国の国民食、試してみてはいかがでしょうか?
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