東京・川崎のベッドタウンとして人気が高い、都筑区。
地下鉄や田園都市線など交通網も整備され、第三京浜や首都高も通り、大型ショッピングモールもいくつも作られ、まさに繁栄の極みといったにぎわいぶりです。
その一方で、もともと港北区西部から都筑区にかけては町工場や海外向け自動車ディーラーが数多く作られた土地がら。
そのため多くの外国籍の方が住んでおり、近くには大きなイスラム教礼拝所やイスラム教徒向けの食材店ができるなど、国際色豊かな土地柄でもあるのです。
そんなオリエンタルなお店の中でも特にオススメなお店が、こちら。
場所は都筑区東方町、イケア港北のすぐ近くの「アリババレストラン」さん。
※中区に同名のトルコ料理屋さんがありますが、関係はないそうです。
店頭にパキスタンの国旗がはためく外観に、まずはグッと来る。
日本のいわゆる「インド料理店」はネパール人が経営されている事が多く、そのためネパール国旗が飾られていたりしますが、ここは正真正銘のパキスタン国旗でした。
そして、店頭にはパキスタンやインドの食材が並べられています。
食材店としての機能もある模様。
入り口に貼られたコーラン(イスラム教の聖典)の聖句を眺めつつ、店内へ。
うーむ、ぜんぜん読めないなぁ(笑
席はテーブル席のみで、4人がけテーブルが7卓。
BGMは、よくあるマサラムービーの踊りと歌・・・
ではなく、ひたすらイスラム教のお祈りの声がスピーカーで流されていました。
シブい・・・あまりのシブさに泣き崩れてしまいそうです。
このお店は、先ほども書いたようにレストランとしても、ハラル食材店としても機能しています。
店内にもいろんな食材があり、ついつい眺めてみたくなってしまいますね!!
缶詰、スパイス、お米、レトルトカレー、油、お菓子。
下には冷凍の肉、ナン、お菓子、いろーーーーんな食べ物たち。
しかし、レストランに来たのですから、ここはお料理を注文せねば。
店内に貼られたメニューを眺めると、メニューもやたら本格的だなぁ!!
しかし卓上には親切に日本語のメニューもあってホッとする。
スタッフさんに色々オススメを聞いたりしたのですが、その時にちょっと聞いてみたらお店のスタッフさんもパキスタンやインドの方だそうです。
そして、みなさんニコヤカでフレンドリー!!
さて、今回いただくのはカレー!! ・・・ではないのです。
どうしても食べたかった、パキスタンのごちそう「ニハリ」(1400円)!!
ビーフがマトンが選べますが、やっぱマトンでしょう!!
そして、ナンかライスが選べますが、やっぱナンでしょう!!
ニハリは牛やマトンを弱火でじっくり煮込んだ、スパイスの効いた濃厚なスープというか、カレーというか。
ニハリは骨付き肉を使うことが多いですが、こちらのニハリは骨がみんなズルむけて鍋の底に沈んだのか、すっかり骨が無くなっていました(笑)
せっかくスタッフさんが「ホネ、イレテクダサイ」とお皿をくださいましたが・・・
まったく使わなかったよ。
マトンはよく煮込まれていて、とっても柔らか!!
そして、たっぷり!!
ニハリは爽やかな辛さと塩気で、スパイスも爽やかなので美味しいです。
コクがあって鮮烈なスパイシーさがありながらながら、優しい味わいなのです。
付け合わせに生のタマネギと生姜とレモンがついてきて、地味に嬉しい。
ニハリだけでも美味しいですが、生タマネギや生姜やレモンで、サッパリと味変をしながら楽しめます。
現地の人っぽく、右手だけでナンをちぎり、右手だけで肉をちぎり、ナンで肉を巻いて食べてみました。
パキスタンやインドなどではナイフやフォークを使わず、右手の人差し指・中指・親指だけを使って食べるのが「エレガント」なんだそうです。
都市圏や高級なお店では、ナイフやフォークもあるにはあるんです。
しかし、「崇高なお料理は味や見た目、香りだけではなく手の触感でも楽しめ!!」という事らしい。
せっかく身を挺してくれた動物さんたちを、フォークで刺すような無慈悲な事はしない、という方もいらっしゃいます。
愛ですねぇ。
そして、食文化って、イロイロですねぇ。
頑張って右手だけで食べていたらスタッフさんに褒められましたよ!!
ナンはふわふわもっちりで、思わずお代わり。
これはなんぼでも食えるわー!! ペロリと完食です。
おかげさまでお腹いっぱいですが、このシアワセを独り占めするのはケシカランので「マトンビリヤニ」(1400円)を妻ちゃんへのお土産にしました。
ビリヤニは、イスラム圏やインドでよく食べられる混ぜご飯。
「混ぜご飯」であって、「炊き込みご飯」ではないのです。
最初にマトンやチキンなどでカレーのようなソースを作り、ごはんとカレーを地層のように重ね合わせ、じっくりと弱火で加熱。
食べる直前にかき混ぜたのが、このビリヤニです。
ちなみに「炊き込みご飯」は国によってポロ、ポロウ、プラオ、ピラウ、プロフ等といってビリヤニとは別の料理。
これがヨーロッパに渡り、のちにピラフと呼ばれるようになりました。
脇に添えられたのは、ライター。
タバコに火をつけるアレじゃありません。
お野菜たっぷり、シャキシャキ食感が嬉しいヨーグルトベースのソースです。
さっそく混ぜ混ぜして食べてみると、骨付きマトンがゴロゴロ!!
そのまま食べてもよし、ライターをかけて頂くと一味違って爽やかな美味しさです。
ご覧の通り、しっかり骨がついています。
骨の中にはトロトロの骨髄がたっぷり入っているので、余すところなく頂きましょう。
やっぱり、ニハリにも本当は骨がついてたんだろうな!!
◆◇◆後記◆◇◆
今回も大満足です。
東京にも横浜にも、インド・ネパール料理のお店はたくさんありますが、インド・パキスタン料理のお店となると本当に珍しいですよね。
このお店は、イスラム料理好きなみうけんにとっては魅力的なお料理がたくさん。
次回はポロ、コフタ(肉団子カレー)、パヤ(スネのカレー)も食べに行かねばなりませんね!!
そして、やっぱり皆さんフレンドリー。
お会計をしてお店を出るときに、いろいろとお話もさせて頂きましたし、ちょうど配達から帰ってきたスタッフさんも満面の笑みで挨拶をしてくださいました。
本当に、お料理もココロもあったかいお店。
都筑区東方町の「アリババレストラン」さん、エスニック好きさんにはオススメのお店です!!
お試しを!
参考までにメニュー写真を載せておきます。
再訪希望値:★★★ 是非とも行きたい
【みうけんさんおススメの本もどうぞ】
※食べログでは表示されません
★☆食べログもごひいきに願います☆★