世界中の美味しいお店が集まる横浜の街で、特に見過ごしてはならないのが横浜中華街。
近頃は見ただけで頭皮が汗ばんでくるような、真っ赤で激辛な四川料理などが人気ですが、もちろん辛くないお料理だってあるのです。
最近は個人的に辛いものばかり食べていたので、疲れた胃を癒すべくやって来たのは横浜中華街・西門通りにある「東北人家 本館」さんです!

言わずもがな、このお店の魅力は「中国の東北料理」がいただけるということ。
中国の東北地方とは現在の黒竜江省・吉林省・遼寧省・内蒙古自治区の北側のあたりを指す「旧満州」と呼ばれる地域で、寒冷な気候の中で生き抜くために発達したお料理が食べられるお店です。
辛い料理も全くないわけではありませんが、多くは酸味や甘味を生かした素朴な味付けが多く、日本人にも比較的親しみやすいお料理が多いのだそうです。

店内はレンガと木を使って作り上げた、まさに素朴感のある趣き。
その店内は、まるで中国東北地方の田舎の食堂に来てしまったかのよう。

◆漬け白菜とスペアリブの煮込み鍋(酸菜排骨:900円)
漬け白菜(酸菜=サンツァイ)とは、白菜の漬物を酸っぱくなるまで乳酸発酵させたもの。
日本の白菜漬けも韓国の白菜キムチも、時間が経つと乳酸発酵が進んで酸っぱくなりますが、中国の東北地方ではこの酸味が珍重されています。

しっかりと白濁したスープの中に、まるで火山島のように聳える白菜の山。
これがいわゆる「酸菜」で、結構な量が入っているものの結局はお野菜なのでヘルシー仕様です。

まずはスープからいただきましょう。
バシッと効いた豚骨の出汁に酸菜の酸味が効いて、しみじみと美味しいです。
濃厚な豚骨ラーメンのスープにお酢を入れてさっぱりさせたような、そんな感じがしますねぇ。

たっぷりの酸菜、そして春雨もたっぷり。
食感がザクザクとしていて「お野菜を食べているぞぉぉぉぉ!」という、生きているヨロコビをヒシヒシと感じます。
さらに春雨のツルツルもっちりとした食感も嬉しくて、これは食が進みますよ!

お肉もたっぷり、しかも骨付き肉なので旨味もしっかりです。
じっくりと煮込まれているので骨離れもよく、骨からホロッと外れるお肉は噛めば噛むほど旨味が溢れる美味しさ。
ゴロゴロとしたお肉がたっぷり入っているので、食べ応えもしっかりですよ。

お肉、白菜、春雨、お肉、白菜、春雨の無限ループ。
しかし何故か飽きない美味しさなのは、発酵食品ならではの奥深い美味しさゆえでしょうか。

ご飯との相性も抜群で、たっぷりのご飯がドンドンと進んでいきます。
ご飯のお代わりをしてもよかったのですが、お野菜とお肉、そして旨味全開のスープで結構お腹いっぱいになれたので、結局はご飯は1杯だけでお腹いっぱいになれました。

◆◇◆後記◆◇◆
中国東北料理の味付けは塩や醤油ベースのものが多く、西のモンゴル・北のロシア・東の北朝鮮の食文化を融合させた奥深いもので、その味付けは日本人の味覚にも合うとされています。
ここ「東北人家 本館」さんでは、東北地方の伝統の味をそのままに、いろいろなお料理を豊富に取り揃えていますよ、との事。
この酸菜や羊のお肉を使った、日本では珍しい素朴で豪快な中国東北料理。
是非、この機会に一度お試しになってはいかがでしょうか?
お試しを!
再訪希望値:★★★ 是非とも行きたい
【ほしいものある?】
※食べログでは表示されません
★☆食べログもごひいきに願います☆★
東北人家 本館 (中華料理 / 石川町駅、日本大通り駅、元町・中華街駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.8
