横浜といったら横浜中華街、横浜中華街といったら中華料理。
中華料理には大きくわけて上海・広東・四川・北京の4大料理がありますが、その中でもダントツな辛さを誇り、日本でも人気のあるのが四川料理ですよね。
では、中華料理の中で四川料理がいちばん辛いのか? 否! 中国には、もっと辛い「湖南料理」という系統があるのです!
と、いうわけでやって来たのは横浜中華街・香港路にお店を構える「湖南四川料理 湘厨」さん。
この日は、もう完全に注文すべきものを決めて来ていました。
そう、メニュー表の冒頭近くに鎮座まします、コレ。この赤いの。真っ赤なやつ。
その名も、「剁椒蒸鱼」(ドゥオジャオユィトゥ)です。
◆剁椒蒸鱼(ドゥオジャオユィトゥ:1980円)
このお料理は、大きなお魚の頭を開いて下味をつける→剁椒(ドゥオジャオ)と呼ばれる唐辛子の酢漬けを敷き詰める→強火でふっくらと蒸して、最後に煮えたぎった油を回しかける→という、聞いただけで頭皮が汗をかきそうな料理。
「四川料理の麻辣とは違う、酸味のある激辛料理」とメニューに説明がありますが、まさにその通りだと思います。
湖南省は内陸の街なので、通常はハクレンやソウギョ、コイなどの川魚を使うのが本場流ですが、日本では手に入りやすいタイやスズキで代用される事が多いです。
今回は恐らくクロダイを使っている模様で、注文してから供されるまで20分ほどかかりました。
しかし、なんでわざわざ頭を使うのか? タイなら尾頭つきで丸ごと使ったほうが食べやすいでしょうに。
とお店の方に聞いたら、魚の頭はとても良い旨味が出ること、コラーゲンが多くてプルプルした食感が楽しめること、昔から中国では魚の頭は縁起物だったこと、などから頭が使われるんだそうです。
魚の頭とはいえ、身体の部分もいくらか付いていますので、小骨の多さはあるものの食べ応えは充分ですよ。
さっそく身をホジホジして、唐辛子と一緒に食べてみました。
蒸してあるので身はとってもふっくらで、旨味がギュッと閉じ込められていて、これは美味しい!
魚の旨味の後にやってくるのは、しっかりと味付けされたタイの骨付き肉の旨味、そして酸味と辛味のバランスが実に良い唐辛子の酢漬けの味わいです。
ふっくらとした身に、キリッと酸味と辛味の効いた唐辛子がたっぷりと乗っていますが、これが剁椒(ドゥオジャオ)と呼ばれるもの。
フレッシュな唐辛子なのでシャクシャクとした食感が楽しめるいっぽう、優しげな酸味が効いていて、見た目のインパクトの割には辛さは優しめだなぁという印象です。(辛さの感じ方には個人差があります)
魚の頭とはいえ、もともとの大きさがけっこうなもので、身の部分もしっかりとついているので食べ応えは充分。
塩と醤(ジャン)の旨味をトロリと感じるタレに、酢漬けの唐辛子のピリ辛と酸味、さらに魚の旨味とコラーゲンのプルプルな食感が合わさって、これはまさに「ごちそう」と呼ぶほかない美味しさ!
ここで、すかさず麺(200円)を注文です。
本場中国では、このお魚を食べた後の残り汁に麺を投入し、和え麺にして食べるのが通(ツウ)の食べ方なんだとか。
さっそく麺を残り汁に入れて、グリグリ混ぜていただきます!
すぐに食べると麺のシコシコな食感を楽しめて良し。しばし待って食べると、美味しい汁を麺がしっかり吸い込んで軟らかくなり、なお良し。
お魚を楽しみ、汁を楽しみ、麺も楽しむという、まさに「剁椒蒸鱼の三段活用」とも呼ぶべき食べ方ですよね。
もちろん、白いご飯にもよく合いそうです。
後日、この「剁椒蒸鱼」を自宅で調理しましたが、自宅では白米とパクチーを合わせ、翌日残った汁に麺を入れて余すところなく食べ切りました。
この日はお店で食べたので汁は残しましたが、この汁がまた格別です。
なんといっても、蒸されたお魚の旨味がしっかり溶け込んでいるのですから。
普段であれば麺類のスープなどは残しても罪悪感がないのですが、この汁だけは美味しすぎて、持ち帰りしたい衝動に駆られました。
◆◇◆後記◆◇◆
今回頂いたのは、湖南料理の中でも人気のある名物料理「剁椒蒸鱼」。
素材の味わいをしっかりと活かしつつ、衝撃的な味わいと見た目が嫌が応にも食欲を奮い立たせてくれました。
しかし、思ったほどは辛くはないので(辛さの感じ方には個人差があります)以外にもスルスルと頂けてしまいます。
横浜中華街でヨダレ鶏や麻婆豆腐や坦々麺なども良いですが、普段とはちょっと違った「フレッシュな辛さ」が欲しくなった時。
中華街・香港路の「湖南四川料理 湘厨」さんの「剁椒蒸鱼」、オススメしたい料理です!
お試しを!!
再訪希望値:★★★ 是非とも行きたい
【ほしいものある?】
※食べログでは表示されません
★☆食べログもごひいきに願います☆★
湖南四川料理 湘厨 (中華料理 / 元町・中華街駅、石川町駅、日本大通り駅)
昼総合点★★★★☆ 4.2