博物館はけっこう楽しい。
特に、古代エジプトやらインカ帝国やら中華文明やらの考古学ものを見るとワクワクしますが、今回はちょっと趣向を変えて、みなとみらいのパシフィコ横浜へとやってきました。
今回見に来たのは、「Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~ 2021@YOKOHAMA」です。
やはりこのコロナ禍もあるのでしょう。
平日とはいえガラガラで、ちょっと心配になってきます。
コロナ前の、なんでも行列が出来ていた頃が懐かしく思えてくるほどです。
ララミディア大陸というのは、なんでしょう。
現在の北米大陸は、もともといくつかの陸地がつながったものですが、そのうち北米大陸の西海岸沿いを構成していた部分で、多くの恐竜が棲息していたところだそうです。
場内にはティラノサウルスの骨格が堂々の展示。
今やティラノサウルスは恐竜の代名詞、恐竜展の定番中の定番ですが、その人気っぷりは不動です。
他にも、巨大なトリケラトプスの骨格標本、珍しい幼体の骨格標本などもあって、夏休み中のお子さんたちは大喜びでした。
まぁ値段はいい値段しますが、大人にとっては外遊びよりも楽ですし、冷房が効いていて体力を消耗しなくて (・∀・)イイ!! ですねぇ。
さて、いろいろある展示の中で、もっとも地味な展示とも言えるかもしれませんが、白亜紀後期のカメさんの骨格標本がありました。
これは恐竜でもなんでもないのですが、個人的には驚くべき展示でした。
このカメさんは、白亜紀後期(7210万年〜6600万年前)に棲息していたとされるプレシオバエナという名前のカメさんだそうです。
この頃は人類はまだヒトの形すらしていません。
恐竜時代の末期ですが、全ての生きとし生けるものが、また彼らを取り巻いた生態系画、現代のそれとは全く違います。
そこから絶滅と進化を繰り広げて、人類が生まれ、食物連鎖の中ではそれほど強くなかったはずの人類が類い稀なる知能を持ったことにより文明を築き上げたわけです。
人間も、ここ数百万年の間に大きな進歩を遂げて、ここまで来たわけです。
しかし、このカメさんの姿は今とほとんど変わりません。
このカメさんは一億年前から「進化していない」のではありません。
一億年前には、「これ以上進化しなくていい」ほどに完成されていたのでしょう。
よく、「亀は万年」といいますが、なるほど、単に寿命が長いだけではなく、昔からこの姿のまま変わっていないとは。
何とも凄いことだなぁ、と思います。
今日も、近所の池のほとりには大きくなったアカミミガメが物言わず日向ぼっこしています。
アカミミガメは、お祭りなどで売られていたアメリカ原産のミドリガメが捨てられたりして定着したものなので、このアカミミガメも、本来ここにいるべきカメではないものを人間が持ち込んだものです。
人間は進化を遂げるあまり、文明を発展させすぎたあまりに、今や自分で自分の首を真綿で締めているように思えて仕方なりません。
人類が生まれる前からずっとこの地球を見てきたカメさんたちは、この人間の営みをどのように思っているのでしょうか。