華やかな観光地として、国内外から注目を集める横浜。
しかしその裏側には、戦後の高度経済成長期を現場で支えてきた「働く街」としての顔が、今も色濃く残っています。
その象徴とも言える場所が、酒場文化が色濃く残る街として知られる横浜・野毛。
昭和の空気をまといながら、地元の人々に長く愛され続けてきた名店が、今も日常の中で息づいています。
今回紹介するのは、黄色い看板が目印の老舗中華「三陽」さんで、野毛の地元客に長年支持されてきた、「昭和から続く横浜の食文化を体感できる一軒」です。

このお店の特徴は、なんといっても一度聞いたら忘れられないようなキャッチコピーの数々。
「毛沢東もビックリの餃子」「ギャルのアイドル」など、聞いただけでムクムクとなるキャッチコピーは昔から変わりません。

さらに、店頭には「毛沢東語録」というものもあります。
本来、「毛沢東語録」とは中国の指導者・毛沢東さんの名言を集めたもので、中国では大切なものという扱いを受けていますが、こちらの毛沢東語録は・・・なかなかパンチが効いているなぁと感じますよ。

このお店は現在も元気にお店で働いていらっしゃるマスターが、戦後の高度経済成長期に作り上げたお店。
裸一貫で屋台を引いた所から始めて、今ではすっかり野毛の人気店になっており、この日もマスター自ら笑顔でお出迎えしてくださりました。

さて、今回利用させていただくのは定食。
いろいろな定食がある中で、かつて「もうてい」と呼ばれていた毛沢東定食を、久々に注文してみました。

◆三ツ星料理No.1 餃子定食(650円)
◆半ねぎ鳥(230円)
お願いします! まず運ばれてきたのは、お茶とグレープフルーツ。
これはお通しなのか、デザートなのか。

まず運ばれてきたのは「半ねぎ鶏」です。
これも昔から三陽さんの名物で、若い頃はよく食べたものですよ。

トロッと甘辛いタレに、大ぶりに切られた鶏のもも肉。
たっぷりの白髪ネギが添えられて、今も昔も変わらぬビジュアルにホッと安心感。

むっちりの鶏肉にたっぷりとネギを乗せていただくと、鶏肉の食感とネギの食感のコントラストが実に良いです。
味付けも昔から変わらない、お酒が進んでしまう味。
若かりし日の思い出、完全復活に乾杯です。

感動にむせびながらネギ鶏にかぶりついていると、運ばれてきたのは「毛定」。
ちなみに注文時に「餃子定食」よりも「毛定おねがいします!」というと、ちょっとだけ常連さんになれた気分がします。

こういうお店だから、ものすごくパンチ力があるスープなのかなと思いませんか?
実はスープの味わいは意外にもホッコリで、あまり主張しすぎない優しい味わいなのが良いのです。

メインとなる餃子はニンニクの旨味をしっかりと活かしたもの。
デートの前に食べてしまうと大変ですが、逆にデートでこのお店に来られるような仲になれれば、それはもう相思相愛の証です。

餃子とライス。略して餃子ライスは、今も昔も庶民の味方。
ニンニクと肉汁をしっかりと活かした美味しさで、この日もがっつりとニンニクパワーをいただきました。

さて、後日改めて訪問させていただきました。
このたび注文したのは、定食の代表「餃子定食」(毛沢東定食)に続く、麺類の代表です。
◆チンチンラーメン(820円)
お願いします!
ラーメンは、この他にも玉子とじキムチの入った「チョメチョメラーメン」などもあります。

まずはスープを一口いただきます。
しっかりと脂が浮いたスープはコクがあり、その上でニンニクがガツンと効いていますね。
餃子と並んで、これも相変わらず全開の活力を感じられるパワー全開のメニューです。

通常なら、ここで麺にいくところですがチンチンラーメンは具材にこそ愛があります。
たっぷりのニラ・玉ねぎ・にんじん・肉・もやしなどがドッサリと入り、これは栄養バランスを気にする方にも嬉しい内容。
何と言ってもバランスが取れた具材だと思います。

麺はしっかりとコシを活かした、中細麺。
わずかなウェーブがスープによく馴染んで、クセになる美味しさ。
量もしっかりあって食べ応えもバッチリですよ。

お野菜、麺。お野菜、麺。このシアワセの無限ループが嬉しくて、ついつい箸が止まらなくなってしまいます。
マスターの元気な「いらっしゃいませぇ、まずは当店の看板の餃子とビールはいかがですか〜」という声かけをBGMに食べる、横浜ならではの素敵なお昼ごはんとなったのでした。

◆◇◆後記◆◇◆
このお店は、野毛に古くからある「三陽」さん。
裸一貫、屋台から始めたマスターが、その持ち前のユーモアと愛される人柄、そしてお料理の美味しさで育ててきたお店です。
本来、横浜というのは労働者の街でした。
高度経済成長期の横浜で、現場で汗を流して働いてきた方々の胃と心を満たし続けてきた、横浜の暮らしを支えてきたお店。
これからも、いつまでも元気に営業を続けていってほしいなと思います。
三陽
045-231-0943
横浜市中区野毛町1-36
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140102/14000045/
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★☆食べログもごひいきに願います☆★
