「アンコウ鍋が解禁です!」──そんな通報を受けて、急遽やってきました。
もう夫婦で何度もお世話になっている、おそれ入谷の鬼子母神。
入谷駅前の通りからちょいと路地に入ったところにある、「お食事処 あかぎ」さんです!

このお店は、鰻にしても鮟鱇鍋にしても毎回毎回、目をつぶって食べてしまうこと必定の美味しいお店。
年に2回くらいお世話になっていますが、このたびめでたく「食べログ百名店」に選出されたとか!

「ただいまー」と言いながら入店したくなる店内は、明るい雰囲気で4人がけが2卓。
いつも夜は混み合うので、空いていそうな時間に早めに訪問させていただいています。

奥にはオープンキッチンのカウンター。
さらに奥にはお座敷もあるようで、ちょっとした集まりとかにも是非オススメしたいお店です。

まずは一献。飲み放題(2400円)もありますが、そんなにガフガフ飲みませんので通常で良いのかな。
てなわけで、まずはオススメのお酒から。
◆ひやおろし不動(千葉・純米吟醸:1合1200円)
千葉県の純米吟醸酒。関東人には関東の酒ってね!
キリッと冷えていて、実に涼しげ。
りんごのような洋梨のようなフルーティな香りがスッキリしており飲みやすく、お食事にもピッタリな一杯。

◆鮟鱇鍋コース(8800円)
青森県は風間浦で水揚げされた新鮮なアンコウさんをバッシュバッシュと捌いて華麗に食べ尽くす、シアワセなコースです。
冬はやっぱり冷酒(ヒヤ)にアンコウですよねー!
◆焼き胡麻豆腐
このお店の名物とも言える一品目は、外はカリッと・中はトロッとな焼き胡麻豆腐。
濃厚な胡麻の風味とワサビの爽やかな香りで頂く、あつあつカリトロな逸品です。

香ばしい外側をカリッと割って食べてみると、中はあっつあつトロットロで大豆の甘みがすごいのよ!
下にたっぷりと敷かれた濃厚なゴマのタレと、爽やかなわさびの香りがベストマッチ。
うーん、実に仕事が丁寧で、最初の一口目から大満足できる逸品ですねぇ。

◆前菜三種
続いての前菜は豪華な三種盛り合わせ!
お皿の彩りもよく、見ただけでわかる丁寧なお仕事ぶりがキラキラ光っています。

まずは、「松茸とほうれん草のお浸し」から!
さっそく一口目をパクッといくと、お口に広がる松茸の香りがしっかり!
ほうれん草は茹で加減が素晴らしく、お浸しなのにシャキッとしており出汁との馴染みもすんごくいいのです。
こんなにこんなに美味しいお浸し食べたことがないし、家じゃなかなかできないだろうなぁ。
お皿に残った出汁ですら残さず食べてほしいほどの美味しさよ!

お次は「ポテトサラダ」で、マスタードソースがほのかに効いています。
ポテトサラダそのものもホックリ美味しいし、上に乗った海老が見るからに美しいだけではなく、食感もパリッパリでスバラシイことこの上ないのよ!

次は「おおまさり落花生」という大型品種で、少し固茹でにしてあります。
薄皮のままパクリといくと、シャキシャキとした歯応えを存分に楽しめるし、落花生ならではの大地の香りもすごく良くて、「たかが落花生、されど落花生」。

◆お造り二種盛り合わせ
来ました来ました、お正月! マグロを食べるとお正月が来たような感じがします。
キラキラに輝く器に、キラキラに輝くお刺身は本当に美しいですよねぇ。

マグロは美しき真紅の宝石。まるでルビーのような情熱的な赤色。
ワサビをつけて醤油にチョンチョンして頂けば、お口いっぱいに広がる赤身ならではの旨味がたまりません!

続いてはハマダイという、あまり聞かない名前の魚ですがそれもそのはず。
日本三大高級魚とされて高値で取引され、しかも個体数も少ないのでなかなかお目にかかれないのだそうです。
このハマダイさんを出す時点でこのお店の本気度がわかりますが、それ以上にお口の中にスッと広がる甘味と旨味はさすが!

◆あん肝
このお店の「あん肝」は絶品です。絶品すぎて、今まで食べたどのあん肝よりも抜きん出ています。
これは、痛風になってでも食べていただきたい逸品!

お口の中にトロリと広がっていく柔らかさは、お箸でなかなか持ち上げられないほど!
お口の中でつぶしていくと、香りは良いのに驚くほどに雑味がない事に驚かされ、思わず目を閉じて無言になってしまいます。
もちろんドリンクも進みますし、このお皿は有田焼なのに「ひとみ婆さん」と「ちびまる子ちゃん」が描かれているのも楽しいですよね。

◆Snow drop(660円)
なかなか珍しいものがあったので注文してみました!
福島県の日本酒ベースのヨーグルト酒で、甘すぎず甘酸っぱくてチーズケーキのように濃厚なミルクの香りが素晴らしい✨
何かに似ている味だなぁと思いきや、モンゴルの馬乳酒(アイラグ)に少し似た酸味があり、アンコウの唐揚げにもピッタリな美味しさです。

◆鮟鱇の唐揚げ
あっつあつなので、火傷には注意ですよ!
実に肉厚でぷりっぷりな食感は、まるでお肉のよう。
それなのに、上品な旨味とジュワジュワジューシーな甘味がビシッと主張して来ます。

やー、なんと言ってもアンコウの美味しさはこのむっちむちな弾力にあり、ですよね。
脂身というわけではないのに、タンパクかつ力強く、実に美味しい!
きっと、この弾力を生かすのはこのお料理しかないのではないだろうかとすら思えてきます。

◆鮟鱇鍋
いよいよ真打ち登場です! ぐつぐつ言いながらやってきたアンコウさん。
上に乗っているのは青森県産の新鮮なセリで、これがまた根っこまで美味しいのです。

アンコウはじめ豆腐やネギなどの具材はもうあらかた煮えた状態なので、あとは芹だけを沈めて火を通したらいただきまーす。
味付けはしっかりした味噌仕立てで、そこにアンコウの旨味がジンワリと溶け込んでいますよ。

芹摘みし昔の人も我がごとや 心に物はかなわざりけむ(枕草紙
ずっと、ずっと逢いたかったのです、愛しき芹さん!そのシャキシャキな食感と広がる香りに恍惚!

芹をシャクシャク楽しみながらいただくアンコウ鍋の美味しさったら!
アンコウの身のそれぞれの美味しさが、ギュギュギュッと詰まった一杯です。

身はむっちりと旨味が詰まって、その食感も弾ける美味しさ。
このアンコウの食感は他のオサカナさんにはなかなか真似できまい!

あん肝もしっかり入っています。生のあん肝も美味しいけれど、こうして鍋にしても美味しいよね。
プリッといただくあん肝の美味しさはお口にジュワッと広がりトロッとトロけて、思わず日本酒おかわりですよ!

個人的にお気に入りなのは、何と言っても皮の部分です。キクラゲじゃないからね!
お魚の皮ってプルプルで、まさに全身コラーゲン。お口の中でトロかすと、日本人で良かったなぁと思います。

おつゆにはアンコウの旨味が溶け込んだ、しっかり味わいの味噌仕立て。
もちろん雑炊だって美味しいのですよ。もちろん大盛りでヨロシク!

もうね。言葉がありませんよね。
めくるめくアンコウの美味しさに加えて、味噌が馴染んだ玉子まで入ってしまって・・・
ほんと、こんなに美味しい雑炊は食べたことがないんですよ。
脇に添えられた自家製の香の物も浅漬かりでちょうどよくて、雑炊と香の物のルーティーンはシアワセそのものです。

◆デザート
デザートは和菓子!・・・かと思いきや、栗のブランマンジェを合わせてくる意外性がニクいです。
アツアツのほうじ茶に、トロットロなブランマンジェ。もうすっかり秋の装いで、大満足の一食となったのでした。

◆◇◆後記◆◇◆
2025年の食べログ百名店・居酒屋部門に見事輝いた、「お食事処 あかぎ」さん。
その美味しさは保証つきですよ。ザギンやギロッポンなんかに行かなくても、入谷にはこんなに素晴らしい銘店があるのです。
店内に飾られたスッポンさんの甲羅を見るたびに、「ああ、帰って来たなぁ」と安心感があるのもいいですよね。
ちなみに、ここ「お食事処 あかぎ」さんでは新年にむけておせち料理を予約開始されたそうです。
限定で、この時すでに残り10セットちょいだとのこと!
お値段は38000円(送料2000円別)とのことなので、気になる方はいちどお問い合わせされてみては。
何を食べても間違いのない「あかぎ」さんのおせち、絶対に! 絶対に! 間違いはないはずです!

今回頂いたのは、ひとり8800円の「鮟鱇鍋コース」。
正直、これで8800円とはコスパが良すぎます。
食べてみてわかる、本当の美味しさ。それがここ「お食事処 あかぎ」さんにはあるのです。
お試しを!
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※食べログでは表示されません
★☆食べログもごひいきに願います☆★
あかぎ (居酒屋 / 入谷駅、鶯谷駅、上野駅)
昼総合点★★★★☆ 4.7
