中国の広東省を中心として発展した、点心をつまみながらお茶を楽しむ「飲茶」の文化。
もちろん横浜中華街にも数多くの「飲茶」のお店がありますが、今回紹介するのは特にとっておきのお店。
横浜中華街・上海路にある「皇朝茶樓」さんです!
「皇朝」さんといったら、黄色い看板に金のコックコートを着てエッヘンする世界チャンピオンで有名なお店。
横浜中華街に足繁く通う方であれば誰もが知っているであろう光景ですが、朝に皇朝さんの前を通ったりすると肉まんを一生懸命包んでいるのが見られたりします。そう、手作りのお店は美味しいのです。
さて、さっそく店内へ入れば明るい雰囲気のなかにテーブル席がズラリ。
この日は雨が降っていたので空いていますが、休日の夜などは予約が必須の人気店です。
◆碧〈Ao〉ハイボール(800円)
妻ちゃんはハイボールを頂きました。「華やかな香り立ち、ほのかなスモーキー」がキャッチコピーの碧は世界のウイスキーの良さをミックスさせた、サントリー自慢のウイスキー。
なるほど樽を感じる木の香りと、テロッとした飲み口が優しい一杯とのこと。
◆茉莉花茶千日紅入球型(600円)
せっかくなので、みうけんは中国茶をいただきました。
中国茶はティーポットで提供され、お湯の継ぎ足しもできて600円はオトクです。
クルリと丸められたジャスミン茶の中には千日紅(センニチコウ)の綺麗なお花が入っており、お湯の中で広がっていく光景を目で見て楽しむお茶。
ジャスミン茶の香ばしさと爽やかさにお花の香りが加わって、さらに眺めているだけでも楽しい、まさに休日にゆっくりと楽しみたいお茶だと思います。
ところで、この「皇朝茶樓」さんはお料理の提供が早くてビックリします。
この日も点心から主食、デザートまでいろいろ注文させて頂きましたが、お料理が次々と出てくるので撮影が間に合わないほど!
◆料理長おすすめ前菜三種(1280円)
クラゲ・チャーシュー・蒸し鶏がワンプレートになった豪華なセット。
写真だと小さく見えますが、実は全体が大きくてけっこうなボリューム感があります。
クラゲはシャッキシャキな食感と、えぐみを感じない爽やかな口当たり。
中華の前菜として定番ですが、やはり皇朝系のお店は前菜からして違う!
チャーシューは表面を赤くしたもので、少し甘めの味付けなのはハチミツが塗ってあるのかも?
むっちりとした食感の中からあふれるお肉の旨味と脂身の甘味の優しさは秀逸!
蒸し鶏は皮付きの胸肉でしょうか、しっとりとした柔らかな食感。
あっさりとしたネギだれがキリッと全体を引き締めて、涼しげでガッツリと食べたくなる美味しさです。
◆プリプリ海老の紅もち米クレープ(980円)
これは初めて見るメニューですが、この皇朝茶樓さんのオリジナルでしょうか。
彩り鮮やかな餅米のモチモチな皮に、プリッとした海老がたっぷり仕込まれていて食感が実に楽しく、是非ともオススメしたい逸品です。
◆冬虫夏草(漢方)の花風味の小籠包(680円+追加1個230円)
冬虫夏草とは、中国でサナギタケ(地中のサナギに生えるキノコ。うちの庭にもたまに生えてます)をいい、古来より漢方薬として珍重されてきました。
キノコなのでシャクシャクとした食感が楽しめますが、それが小籠包に入ってしまったとはなんとも贅沢なものです。
持っただけでわかるタプタプかげんが素晴らしく、つい嬉しくなってしまいますね。
すぐに食べるとアツアツすぎるので、少し冷ましてから頂きましたが、お口一杯に広がるスープの旨味がものすごくて、これは本当に美味しいです。
むっちりとした皮、たっぷりあふれる旨味しっかりのスープ、そしてスープをたっぷり吸ってトロトロになったアンを咀嚼する瞬間は、他の何ものにも変えがたき幸福なとき!
◆海老入りワンタン麺(980円)
広東省は海に近いので海鮮をふんだんに使用します。
これは海沿いの福建省や浙江省などでも同じですが、特に広東料理と福建料理は海鮮が美味しいので大好きな料理。
こちらのワンタン麺はスープが優しく、まさにクリアそのものなのに、しっかりと出汁を感じる爽やかな美味しさ。
ラーメン系はガッツリギトギトという固定観念を根底から覆してくれる、まさに「優しさあふれるラーメン」だと思います。
ワンタンはたっぷりと入っており、半透明な皮からは海老がよく透けていて美しく、海老のぷりぷりな食感と皮のつるつるな食感の対比も素晴らしい。
麺はシコシコでストレートな細麺で、このスープとの相性も抜群です。
◆海老チリソース(1680円)
これは妻ちゃんが大好きなので注文した逸品で、かなり大きな海老がドッサリと使われています。
トロトロなアンをたっぷりとまとって、しっかりしたピリ辛を感じながらも甘味をしっかりと活かした味わい。
何と言っても、惜しげもなく使われた大きめの海老の食感が実に素晴らしいです。
噛むごとに歯にあたってプリッ、プリッと弾ける海老の食感が嬉しくて、ついつい食が進んでしまいます。
◆スペアリブ土鍋蒸しご飯(1480円)
土鍋にたっぷりと入ってきたご飯の上に、こってり味付けのスペアリブがドッサリ。
お肉と白米なんて、なんてステキな組み合わせなのでしょう!
ご飯はパラッとした炊き加減の長粒米で、やはり大陸圏のお料理には相性が良いです。
お肉も骨付き肉なので旨味しっかりだし、むっちりとした食感ながらサクッと頂ける柔らか食感なので食べやすいですねぇ。
◆本場の麻婆豆腐(小ライス付:1480円)
もとは四川省の料理だった麻婆豆腐も、今や地方によってだいぶ差があります。
日本でイメージする「辛い中華料理」の代表格、麻婆豆腐も四川省のものは辛いですが、広東省の物は甘めの味付けだったり。
こちらの麻婆豆腐も親しみやすい辛さですが、ほのかに花椒を効かせているところも見逃してはならぬ本格派。
トロッと甘めのアンにバシッと効いたピリ辛な旨味、ふんわりとした豆腐の食感が実に良くて、いくらでも食べられてしまう美味しさ。
麻婆豆腐と白米の組み合わせは、定番の中の定番ですよね。
こちらの麻婆豆腐には、きちんと小ライスがついてくるのも嬉しいところ。
中華を愛する食べ盛りさんの気持ちをよく分かっていらっしゃるなぁ、と感心しきりです。
◆五目炒飯(980円)
これも日本の中華にはなくてはならない大人気の逸品。
見ただけでわかるパラッとした炒め加減、チャーシューやネギ、たっぷり入った玉子など具沢山で食べ応えもバッチリ。
スプーンですくってみて分かる、その超絶なパラパラかげんに家族から歓声があがったほど。
炒め加減もさることながら、テリッとした外観にしっかりと味付けがなされていて、これはレシピを教わりたいほど!
◆ごま団子3個580(税込円)
カリッとした食感、もっちりとしたお餅。
これもまた、お店によっていろいろな味わいがありますが、こちら「皇朝茶樓」さんの胡麻団子も間違いがありません。
アツアツのお餅にガブリと行けば、お口一杯に広がる胡麻の香ばしさ。
そして、胡麻アンの濃厚な香りと甘味を楽しめて、まさに理想的な胡麻団子とはこのことです!
◆マンゴープリン(550円)
実にスタイリッシュなグラスでやってきた、おしゃれなマンゴープリン。
やはり銘店はマンゴープリンも絶賛すべき美味しさです。
トロッとすくっただけでわかる、その口当たりの良さといったら。
食べてみても濃厚な味わい、とろける口当たりに思わず悶絶できる美味しさで、すぐに家族に取られてしまいほとんど食べることができませんでした(泣
◆魔法のカスタードまん(580円)
デザート部門の中でも、看板メニューというこちら。
一見して、なんの変哲もないカスタードまんのようにも見えますよね。
箸でぱっくりと割ってみて、思わずビックリ。
カスタードまんだから当たり前でしょう、と言われてしまいそうですが、中にはカスタードがたっぷり。
このカスタードが実に口あたりがよく滑らかで、ハフハフと温かいのにトロリとトロける美味しさ。
ふっくらふんわりの皮とトロトロのカスタードの組み合わせが最高で、これもまた家族で取り合いになる美味しさでした。
◆◇◆後記◆◇◆
今回お邪魔したのは、横浜中華街・上海路にある香港式飲茶のお店「皇朝茶樓」さん。
これから暑くなる時期、食べ歩きもツラいですし食べ放題を食べるほどたくさんは食べられない。
むしろ、ゆったりとお茶を嗜みながら、優雅なひとときを過ごしたい。
そんな「オトナの時間」を優雅に過ごすのに、まさにピッタリなお店です。
横浜中華街で、美味しくてクオリティの高い点心と、ふだんとは一味違った中国茶をじっくりと楽しみたいとき。
「世界チャンピオン」による間違いないお料理を提供されている「皇朝」グループの「皇朝茶樓」さん、是非ともオススメしたいお店です。
お試しを!
再訪希望値:★★★ 是非とも行きたい
【ほしいものある?】
※食べログでは表示されません
★☆食べログもごひいきに願います☆★
皇朝茶樓 (飲茶・点心 / 元町・中華街駅、日本大通り駅、石川町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5