横浜市には活気のある商店街がいくつかありますが、その中でも筆者が特に楽しいと思っているのが南区の横浜橋通商店街。
全長350メートルの長さを誇るアーケード式商店街には120軒のお店が並び、昔ながらの日本のお店や韓国系・中国系・ベトナム系のお店もチラホラ。
本格的な外国料理をいただけるお店も数多くあり、今回紹介するのは大通公園がわから入ってすぐのお店、「中華 小吃館」さんです。
「小吃館」で「シャオチーカン」と読むこのお店。
「小吃」とは屋台などでサクッと食べ歩きするような軽食のことをいい、なるほど店頭にはいろいろなお惣菜が並んでいます。
その中には、その場で食べ歩きできそうなものもチラホラ。
もちろんイートインも可能で、店内にはテーブル席が並んでいます。
焼きビーフンや麻辣湯のようなしっかりとした食事もあるとの事で、まずはメニューを確認です。
と、メニューを読んでみるとまさかの中国語!
むー、なるほどこれは本格的です。
中国語の料理名には「炸→高温でカラッと揚げた」「鹵→醤油味でじっくり煮た」など、いくつか法則があるので、もしそれを覚えていればどんなお料理か想像がつきます。
まず表面は「鹵味系列」(醤油味でじっくり煮込んだの部)、「炸・炒・煮系列」(揚げた・炒めた・煮たの部)。
裏面は「福清特色」(福建省福清市の料理)、「特色早餐」(名物の朝食)、「飲品」(ドリンク)と並んでいます。
どれもリーズナブルで、朝食は水餃子があるのが心強いですね。
◆海蛎餅(300円)
「ハイリービン」と読むこの逸品、その感じだけでどんなお料理か想像ができたら上級者です。
具入りの天ぷらのようなもので、手で持ってみると、しっとりとしていてなかなかにオイリーですが、絶対に美味しそうなオーラがムンムンしています。
箸でザックリ割ってみて、これはビックリ。
中には紫菜と呼ばれる海苔がたっぷり入っていて、その中に混ざるようにして豚肉やキャベツがたっぷり入っています。
ガブッと食べてみると・・・んんっ!? この味は!!
なんと、小さな牡蠣もギッシリ入っていて、牡蠣の旨味と海苔の香りがブァンブァン押し寄せてきます。
衣は表面はカリッと、中はしっとり。
もともと海鮮を多用する福建省の名物的な軽食で、海苔がしっかり入るのが美味しさの秘訣。
そこに、旨味たっぷりの牡蠣が入っているのだから間違いのない味わいです。
これは、おそらく中華街でも滅多にお目にかかれない逸品だと思います。
◆炒米粉(1000円)
それだけでは食事としては足りないので、個人的に好物である焼きビーフンもお願いしました。
中国は北半分は小麦が主食、南半分は米が主食ですが、ビーフン(米粉)は読んで字のごとく、米の麺です。
※本来、「麺」とは小麦で出来たものをさし、米でできたものは「粉」(フン)と書くので、「米の麺」というのは日本語ならではの表現です。
パッと見て、具材は殻付きの大きなエビが2尾。
そして、たっぷりのキャベツ・キクラゲ・肉・にんじんと、実にオーソドックスです。
食べてみると、ジャクジャクとした歯切れの良いビーフンが、まず美味しい。
味付けも海鮮の旨味、肉の旨味がしっかり効いていて、「出汁で食べる焼きビーフン」という感じがします。
シンプルなのに、旨味がしっかり。
エビは殻がついていますが、なんでもよく噛んでバリバリ食べる人間なので、頭からバリバリ食べてみました。
かぶりつくごとにジュワッとあふれる海老の旨味とシャクシャクな食感は、まさに唯一無二!
食べているとガンガン感じる、「あの」旨味。
これは絶対に入っているな・・・と、麺をかき分けてみると、ありました!
びっくりするくらい小さな牡蠣です。
最初は小さくて分からなかったのですが、探してみると数え切れないほど入っていて、なるほどこれが美味しさの源泉か! と感心しきりです。
◆◇◆後記◆◇◆
こちら「中華 小吃館」さんは、こぢんまりとしたお店。
正直、このお店に入る人は相当の中華ツウか、中国の人くらいなものかと思います。
それでも、海鮮素材の味をふんだんに活かす福建料理の醍醐味と、サクッと気軽に食べられる手軽さを兼ね備えたお店はそうそうあるものではないですよね。
まさに、本格をうたう「ガチ中華」と呼ばれるジャンルのお店が軒を連ねる横浜においても、実に貴重なお店だと思います。
横浜橋通商店街の「中華 小吃館」さん。
本格の中華を追い求める方には、実にオススメのお店です。
お試しを!
再訪希望値:★★★ 是非とも行きたい
【みうけんさんおススメの本もどうぞ】
※食べログでは表示されません
★☆食べログもごひいきに願います☆★
中華 小吃館 (中華料理 / 阪東橋駅、黄金町駅、伊勢佐木長者町駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.5