今日の映画です。
今回は2017年(平成29年)公開のアニメーション映画、「夜は短し歩けよ乙女」です。
これは森見登美彦による2006年出版の同名の 長編小説をアニメ化したもので、歌舞伎役者の中村壱太郎さんと乃木坂46の久保史緒里による舞台劇も注目を浴びている作品です。
小説では1年間かけて進むお話が、映画では一晩の話として進んでいくというもの。
なんと荒技な時間短縮!!笑
そして、2時間足らずの映画の中に、実にいろいろな話が詰め込まれているせいもあって、これがたった一夜の物語であるとは感じさせないスピード感のある話の展開になっています。
舞台は、現代の京都大学をモデルとしたであろう大学です。
そこに通う、好奇心はなはだ旺盛で天真爛漫な性格、かつ他の誰もがかなわない大酒飲みの「黒髪の少女」と、その少女に片想いを寄せる「先輩」との不思議な恋物語です。
登場人物だってなかなか風変わり。
天狗を自称し和服を粋に着こなし、あえてキセルでタバコを嗜む「樋口さん」や、片想いの相手に再び出会うまではパンツを履き替えないと決めた「パンツ総番長」は、この作品の中で重要な役回りをこなします。
樋口さんの友人である歯科衛生士の「羽貫さん」が、ごくごく普通の人に見えてくるほど。
Wikipediaによれば、この映画は第41回オタワ国際アニメーションフェスティバル長編部門グランプリと第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション映画賞に輝いたそうです。
まぁ、 典型的かつ本格的な、いかにもなファンタジーもの。
実際にはありえない、現実とはかけ離れた世界で、人々を魅了する。
ある意味で創作アニメの強みを最大限に活かした作品だと思います。
その反面、ちょっと話の展開が急すぎてついていけない面も。
そりゃそうでしょう、1年間ぶんの展開を2時間足らずの映画に詰め込んじゃったんだから(笑
おおかたのあらすじは、冴えない「先輩」が憧れの女性「黒髪の少女」のハートをいかにしとめるか。
度胸も根気も学力も貯金もなく、偶然を装って彼女の周囲に神出鬼没に登場しては挨拶をする、という一歩間違えればストーカーとも言われてしまいかねない危うい恋を燃やす日々。
そこに、樋口さんや学長やパンツ総番長など、一風変わった人たちが変わるがわる出てきて話を展開していきます。
そして、意外な形で決着を見せるパンツ総番長の恋の行方も、えーーーっと言わせてくれるものがあります。
しょうじき、話の展開がね。
前半は展開が頻繁に変わりすぎて、話をつなげつつ見ていくのが大変でした。
しかし、その反面後半は小気味よく展開していく、話の展開のスピード感が爽快となる作品だなと思います。
また、出てくる地名は鴨川など、いかにも京都を意識している作品なのに出演者があえて全員標準語なのも不思議だと思いました。
これはファンタジーものとして充分アリな話だと思いますけれど、なにぶんにも慣れるまでの最初の1時間は、話の展開が突飛すぎてなかなかついていけないのですね。
だんだん後半に入っていくと、前半で見た突然展開する「詭弁踊り」などの不思議な話の展開の意味がわかってくるのですが、見る人によっては最初から面白いと評する人もいるし、なかなか評価が難しい作品だと思いました。
さて、「先輩」と「黒髪の乙女」の恋は実るのか!?
恋愛成就のその日までパンツを履き替えないと誓いを立てたパンツ総番長の運命やいかに!?
皆さんも是非ご覧になって、その感想をコメントしてください!!
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