みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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瀬谷の里で親しまれる 妙光寺と梵鐘の由来(その1)(瀬谷区)

相鉄線瀬谷駅の前の通りをずっと北上していくと、どこまでも続くまっすぐな直線道路につながります。

 

この道は海軍道路といって、この周辺にはかつて旧日本軍関係の施設が密集し、この道路も滑走路としての使用も視野に入れて作られたものだったそうです。

 

その海軍道路を北上し、左手の上瀬谷小学校の裏側に回り込むと、日蓮宗寺院である蓮昌山 妙光寺にたどり着きます。

 

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境内は綺麗に整えられており、広々として気持ちの良い境内のこのお寺の縁起はとても古く、飛鳥時代の白雉3年(652年)にさかのぼります。

この妙光寺には、今なお当時の不思議な伝説が大切に語り継がれています。

 

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そのころ、ここ上瀬谷は武蔵国相模国の境であり、山すそにそってまばらに民家が建っているような、実にのどかなところでした。

ある日、明光比丘尼みょうこうびくに)と名乗る尼がやってきて、ここに小さな草庵を結んでは毎日読経ざんまいの日々を暮らしていたそうです。

 

この明光比丘尼は徳の高い人物で、里人たちの悩みをよく聞き、いつも釈迦牟尼仏の加護を説いて聞かせていたので、里人たちからも「お比丘(びく)さま」と呼ばれ、たいそう親しまれていたそうです。

 

ある日、この明光比丘尼が咳の病を患い、苦しそうにせき込みながら仏の教えを説くその姿を心配した里人たちは、貧しい暮らしの中からせいいっぱいの食べ物を集め、また明光比丘尼のためにお茶を煎じて飲ませたりしたそうです。

 

当時、お茶は非常に珍しく高価で、庶民の買うものではありませんでしたが、驚くべき薬効があるということで珍重されていたのです。

 

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ある日、いつものように里人が庵を訪ねると、明光比丘尼の姿がありません。

代わりに、明光比丘尼が読経をするたびに座っていた敷物の上に石が置かれていて、その石には間違いなき明光比丘尼の粗末な衣服がかけられていたのです。

 

これは明光比丘尼が石にかわってしまったものに違いない、と悟った里人たちはその石を大切に祀り、咳の病に悩まされると願をかけたそうです。

それ以来、この石には咳の病に霊験あらたかであるという話が広がり、一時期はお参りの人でたいへんな賑わいで、また咳の病が治った際には竹筒にお茶を満たしてお供えする習慣が残されたということです。

 

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それまでは小さな庵であったこの寺も、大同年間(806年~810年)に辨通(べんつう)によって天台宗寺院「福昌山 明光寺」とされて栄えました。

 

その後、鎌倉時代の弘安5年(1282年)9月、日蓮上人がここに一泊したときに住職であった文教によって日蓮宗に改宗し、名も蓮昌山 妙光寺と改めました。

日蓮上人が開山とされているのは、そのためです。

 

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この明光比丘尼の霊石は、長津田の大石神社のご神体と、大和市深見の要石(かなめいし=所在不明)とともに三奇石と呼ばれて、今でも妙光寺の本堂の前には明光比丘尼の小さい祠(開基堂)があり、お茶の入った竹筒を見かけることがあります。

 

 

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せっかくお参りしたので、御首題(御朱印)を拝受しました。

日蓮宗の御首題のひげ題目は、どこのお寺で頂いても美しい筆遣いです。

このようなご縁を形に残せることに、感謝感謝です。


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いま、冬の木枯らしが吹くなかに、ひとり妙光寺の境内を歩き開基堂に香華を手向けるとき、一心に釈迦牟尼仏を奉じて人々に悟りの道を説いた明光比丘尼の後ろ姿が思い起こされるようで、ここにも遠く過ぎし日々の思い出に想いを馳せたのです。

 

このお話はさらに続きます。

 

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