みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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今も残る力石 村と村の力くらべの思い出(横浜市港北区・鶴見区)

横浜市港北区ニュータウンとして発展が著しい一方で、昔々からの人々の暮らしが垣間見えるところでもあります。

今日は、そんな昔の人の暮らしぶりに会うために、師岡町(もろおかちょう)にある師岡熊野神社へやってきました。

 

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師岡熊野神社の歴史は古く、奈良時代に相当する神亀元年(724年)に、全寿上人が巡行中に、熊野大権現の神札が空から降ってきたので、この地の大木のウロに納めて祀ったのが起源とされています。

  

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そのため、御祭神も和歌山県熊野三山の祭神とおなじく、伊邪那美尊イザナミノミコト)、事解之男命(コトサカオノミコト=熊野権現)、速玉之男命(ハヤタマヲノミコト)を祭神とし、社紋にサッカー日本代表チームと同じく3本足のカラス(八咫烏)を採用していることからサッカー選手からの崇敬も篤い神社です。

御朱印をいただくと、この3本足のカラスの印が捺印されます。

  

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さて、この神社の鳥居の前には以前にも紹介した「いのちの池」のうち、「いの池」があります。

 

  

このほとりに、人かかえもあるような石が4つ据えられて、ひっそりと残されているのを目にすることができます。

 

この石をよく見ると、「四拾五貫目 樽村清兵衛 常五郎」という陰刻が見られます。

「四拾五貫目」とは当時の重さの単位です。

1貫目というのは3.73キログラムですから、45貫目というと167キロあまりとなります。

  

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これは力石といって、村一番の力もちを決めるのに使われた石で各地で見ることができます。半分の20貫目くらいならどこにでもありますが、45貫目というのは当時としても珍しかったのでしょう、持ち上げた樽村の「清兵衛 常五郎」という2人の人物の名前が記念に刻まれています。

また、ここには他にも「大尾石」「大龍石」と刻まれた2つの石が置かれています。

  

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この樽村の「清兵衛 常五郎」が45貫目の石を持ち上げた、と言うことが話題になるや、おらが村にも力持ちはいるぞ! という声も上がるのは当然の習いでしょう。

 

鶴見川をはさんで対岸、鶴見区の矢向村というところにある日枝神社にやってきました。ここも静かで地元の神社といった感じで、見た感じはどこにでもありそうな普通の神社です。

 

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この神社の御朱印も頂戴しました。

片隅のお猿さんがかわいいですね^^

 

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この神社の境内の片隅には、なんと120貫(447キロ)にもなる「豊遊石」が、さらに50貫(185キロ)の白虎石と龍虎石があるのです。

 

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これは江戸時代後期の嘉永4年(1851年)に力士による力比べがあり、そこに飛び入りで参加した29歳の青年、弥五郎が持ち上げたものとされています。

 

また、明治25年(1892年)には百姓の鴨志田与右衛門が持ち上げたので、この二人の力持ちを記念して記念碑まで建てられる騒ぎだったといいます。

 

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今となっては科学万能で便利な時代、こんな石を持ち上げたというのは現代人には理解し難いことではありますが、60キロにもおよぶ米俵をひょいひょいとかついで運び、ちょっと近所に行く感覚で江戸から小田原まで歩いたような人たちです。

きっと、現代人には想像もつかないような力持ちが当たり前にいたのでしょう。

 

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いま、静かな神社の境内を歩くとき、時代は流れて持ち上げる人もすっかりいなくなった力石には苔がむして、幾星霜もの時の流れを感じさせますが、この石にそっと触れてみるとき、かつての剛力たちが一気にこの石を持ち上げ、拍手喝采を浴びた昔日の日の光景が昨日のことのように思い出されてくるのです。

 

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