みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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海上安全を守る巨大魚籃観音像と 駆逐艦五月雨の慰霊碑(小田原市)

東海道線早川駅前の通りを北に進み、すぐの角から東海道線のガードをくぐると、そこには縫うようにして走る細い道と、閑静な住宅街が広がっています。

ここはいかにも古道というか、旧街道のようなたたずまいを残していますが、この奥にあるのが真言宗東寺派の東善院です。

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このお寺は応永22年(1415年)、室町幕府第4代将軍の足利義持(あしかが よしもち)公のころの創建です。

御本尊は薬師如来ですが、本堂の脇には巨大な魚籃観音像が建立されており地域では「早川の観音さま」と親しまれています。

 

この大きな魚藍観音様はご住職の高い志により、海上安全・大漁満足を願い、さらに我々人間に対し命を賭してくれている魚たちに対する報恩感謝の供養、さらには平和日本建設と殉国の英霊、先の大戦による犠牲者と世界無名戦士の冥福を願って建立されたものだそうです。

 

この魚籃観音さまは鉄筋コンクリート造で高さ13メートルの偉容を誇り、どこからも見渡せて、さらにどこまでも見通せる観音菩薩の慈悲と妙智を余すところなくあらわした、実にありがたい観音様であると思います。


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また、この魚籃観音の背後の墓地の片隅には、駆逐艦「五月雨」の戦没者慰霊碑があります。

五月雨は一等駆逐艦として、日本海軍の浦賀船渠にて昭和12年に完成した駆逐艦です。

 

太平洋戦争ではフィリピン攻略戦をはじめとして スラバヤ沖海戦、インド洋通商破壊作戦インド洋通商破壊作戦、第二次ソロモン海戦などに参加しますが、昭和19年にパラオ近海で座礁し行動不能となったところを米潜水艦バットフィッシュの魚雷攻撃を受けて船体を断裂させ、放棄され沈没したそうです。

 

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五月雨の船体は現在も沈没地点であるガルワングル環礁の、水深10mほどの海底に残されていたそうですが、現在はその大部分が失われて主砲やシャフトなどがわずかに残されているにすぎないそうです。

 

戦後、五月雨の元乗組員により「五月雨会」が結成され、ここ東善院に慰霊碑が建立されているという事です。

 

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台座には、当時の犠牲者の方の名前が刻まれています。

昭和17年ガダルカナル島の戦いで空襲を受け、昭和18年にはブーゲンビル島沖海戦での犠牲者、最後に昭和19年、ガルワングル環礁での大破沈没による犠牲者だそうです。

 

戦後結成された五月雨会の発起人が小田原に住んでいたことから、元乗組員9名が発起人となって場所の選定から初めて寄付金を募り、昭和57年8月22日に遺族ら55名が参列して除幕式と開眼法要が行われたという事です。

 

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今でも訪れる人たちは多くいるのでしょう。

遺族だけではなく、当時の歴史について志を持つ有志の方のお参りも多いといいます。

 

戦艦大和や特攻隊は有名ですが、よほど詳しくなければ聞いたこともないであろう駆逐艦戦没者の慰霊碑、しかも東京などではなく小田原の住宅街の中のお寺にわざわざ来られている方が多いことから、今でも崇敬を集めているのでしょう。


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この駆逐艦「五月雨戦没者慰霊之碑」は、巨大な魚籃観音像とともに相模湾を望む高台の上に立ち続けています。

その視線の先には、かつて五月雨が建造された浦賀の方角を向いています。

 

この慰霊碑とともに立ち、船乗りを慰め救うという魚籃観音の後ろ姿の奥に深遠なる相模灘の海原を眺めるとき、遠く南方の海で祖国のために戦い散っていった若き海軍兵士たちの霊に安らかなれと、そっと手を合わせ頭を垂れたのです。

 

 

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