南本牧大橋を渡って右手、三菱倉庫の脇にある海員生協。横浜では古くから港湾で働く人のこと、船上で働く人のことを海員と呼んできました。
いろんな意味での中華街の有名店「海員閣」も、元は海員向けの中華料理屋だった事が由来です。
うず高くコンテナが積まれた脇に、大型トレーラーがバンバン駆け抜けていくような埃っぽい光景は、まさに現代の真の横浜の姿といえるでしょう。
ミナトヨコハマと言うからには、貿易主体のミナトの活動を抜きにしては語れないんだと思いますよ。
そんなトレーラーの運ちゃんたちが集まる荒くれ仕様のお店がこちら。
洒落っ気なんてまったくない、一見しただけでは気付かないようなプレハブ作りのような建物ですが、ここが食堂と売店が併設されたところなのです。
店内は、まさに質実剛健。実用本位。
海員生協だから、日本丸の写真でも飾ってあるかと思っていたけれど、そんなチャラチャラした雰囲気はみじんも感じねぇ!! どうせ飾るなら日本丸じゃねぇ!! コンテナ船だ!!って声が聞こえてきそうな店内です。
メニューだって、必要なものはキチンと揃ってます。
逆に、不必要なものはありません。まぁ、ここでパンケーキだのケークサレだのカクテルだの出てきたら焦るわな。
この日は温かい汁物が食べたかったので、「天玉そば・うどん」(450円)をポチ。
ここにきて代わり映えしないメニューですが、こういうのでいいんだよ、こういうので。
とは言え、何気にこのお店ではお高いメニューです。
食券をおじさんに出すと、「天ぷらはどれにする?」おお、天ぷらが選べるんですね!!
ここはオーソドックスにかき揚げもいいけれど、やはり個人的に好きなのは「ごぼう天」ですから、それでお願いしましょう(^_^)
給水機で水を汲んでいる間に登場!!
手際良いねぇ、早いねぇ!!
実にうまそうな天玉そばです。こんもりしたゴボウのかき揚げがいい感じ出してます。
そばは、こういうところに良く似合った飾らないそば。
実際に袋から出しているところを見たわけではないのですが、いかにも業務用の袋麺といった感じで、このムニュムニュ感がたまらなくうまいのです。
蕎麦ってのは不思議なもんで、もちろん打ち立てのキュッキュッとした歯応えの蕎麦もうまいんですけれど、こういう所ではこのようなムニュムニュのソバがウマかったりするのです。
つゆも、関東人仕様の真っ黒いつゆ。
しかし黒っぽくて濃さそうなつゆである割に、甘さの効いた奥深いつゆだったりします。
熱さもアツアツで、海沿いをバイクで駆け抜けて冷え切った体を一気に温めてくれる、バイク乗りにはとても有難いつゆ。
港で海風を浴びて働く人たちも、いつもこれを食べてホッコリしてるのかなー。
ゴボウのかき揚げは、予想に反してゴボウを薄くスライスして揚げたかき揚げ。
こう言うところではササガキか細切りが多いんですが、なるほどこれならスライサーを使えばすぐに作れますもんね。
ごぼうはある所は柔らかく、ある所はカリカリで、独特の香りの中に小気味良い食感が活かされていて実に美味しく、また食べ応えのあるゴボウのかき揚げです。
これは意外とクオリティ高いですよ!!
こちら、働く方がササッとカッこむだけの食堂と思いきや、なかなかレベルが高いと思います。
また南本牧ふ頭に来た際は利用したいと思います!!
御造作!!
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全日本海員生活協同組合 南本牧店 (立ち食いそば / 山手駅、根岸駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.3