藤沢市を南北に縦断する引地川とその流域は、のどかな田園風景が広がり都会の喧騒を忘れさせる風光明媚な土地柄である。
この引地川にかかる天神橋は遠くに大場城址公園をのぞみ、眼下にはたくさんの鯉がゆうゆうと泳ぐところで、かたわらの親水公園では平日にもかかわらず数多くの家族連れが水遊びに興じているのである。
その天神橋の欄干には、見るも楽しきカエルの相撲が再現されており、道ゆく人々を楽しませているのである。
カエルの相撲といえば「鳥獣戯画」でウサギを投げ飛ばしては気勢をあげるカエルの姿が印象的であったが、ここにも同じようなコミカルな相撲風景が再現されているというのでさっそく見ていくことにする。
まず、行司のカエルが軍配をふるっているところから始まる。
軍配には三日月が描かれているのみのシンプルなものである。
見合いの姿勢。
きちんとコブシを握っているところに注意。
はっけよいのこった!
がっぷり組み合って〜
決まり手は、押し〜出し〜!!
白星を挙げたカエルは、どこから出したか扇子を持っての、高笑い。
負けたカエルは、座り込んでは頭を抱えてムンクの叫び。
初夏の日差しが暖かく降り注ぐ中、橋の上では物言わぬカエルたちの「アツい」取り組みが今日も繰り広げられているのである。
このような物は、車で猛スピードで走っていては見落としがちであるが、このような小さなカエルをも見落とす事なく楽しむことができるのも、原付ならではの楽しみ方なのである。