今回は、並木道夫さんという方のブログに掲載されていた、タクシードライバーをしていて経験した話を漫画にまとめたものです。
その名も「夜明けのタクシードライバー」。
これは、横浜の関内~上大岡あたりを流していた「港南交通」(仮名)というタクシー会社の元ドライバーさんが車内で出会った、いろんな困った乗客、おかしい乗客をテーマにしています。
いろんな乗客があらわれては、タクシーに乗り、降りてゆく。
それだけの事なんですが、それが実に十人十色。いろんな乗客がいるもんだと感心させられますし、1人暮らしで寂しい(とみうけんは勝手に想像した)おばあちゃんに優しく接したら、そのおばあちゃんがホロリと涙を流しながらインスタントラーメンをくれた・・・などの切なくホンワカな話も出てきます。
みうけんもたまにタクシーに乗りますが、この漫画を描いた並木道夫さんの営業範囲がまさにみうけんの行動半径とドンピシャ。漫画内で描かれた、道夫さんの「愛車」である「黄色地に赤ライン」のタクシーもよく乗りましたので、もしかしたらこの並木道夫さんのタクシーに乗ったことがあるかもしれません。いや、きっと乗ってます。
他にも弘明寺、オデオン、野毛、上永谷、日野公園墓地など・・・ なじみのある地名がたくさん出てくるのが、個人的には本当にツボにはまった感じです。
それにしても、この漫画を読んでいるとタクシー運転手って大変なお仕事だと思います。並木道夫さんは、タクシードライバーほど誰にでもできそうに見えて、独自の技術力を要する仕事はない、とおっしゃっていてみうけん個人もそう思いますが、タクシードライバーがこれほどまでに軽視され、給料も安く抑えられているのは残念なことだと思います。
タクシーがいないと困る人はたくさんいる訳ですから。
加えて、まだまだ女性はタクシーとは怖い空間であると認識されている方が多いとのこと。これはビックリでした。
海外であればタクシー運転手による性犯罪や強盗などは多く、日本なみに治安のよい韓国ですらそうなんです(だから女性は1人や2人ではタクシーに乗らない)けれども、日本のタクシーでもいまどきそんなイメージを持たれてしまっているものかと思ってしまいました。
やはり、昔のタクシーの運ちゃんはおっかなかったですから、余計そうなんでしょうね。
安い単価で、長い労働時間。
客に気を使い、運転に神経をすり減らし。
タクシー運転手って仕事は本当に大変だなと思いました。
みうけんは、もともと無理やり割り込んでくる、ウィンカーも無しにいきなり車線変更する、横断歩道の上で客待ちをする、などが気に食わないのでタクシー運転手という人種があまり好きではありませんでした。
みうけんが運転をする時、歩行者は勿論ですが「働く車を優先」というマイルールを作っていて、営業や配送のトラック、バス、タクシーなどによく道をゆずったりしています。
ところがバスやトラックに比べて、だいたいタクシーの運転手さんって譲られて当たり前、お礼もなければ会釈すらしない人が多いです。
ちょっと手を挙げてお礼するくらいなんでもないでしょうに。
まぁ、お礼を求めてるわけでもないですが、何もないのもさびしいものです。
しかし、今回この漫画を読んで、タクシー運転手さんに少しだけ親しみを持つようになりました。
これからも、少し根気よく道を譲ってみよう。そして、タクシーを利用したらこれまで通り「ありがとうございました」と言って降りるようにしよう。
そう思わせてくれる漫画でした。