みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。※現在アップしている「歴史と民話とツーリング」の記事は緊急事態宣言発令前に取材したものです。

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今なお伝説残る 葉山の石芋井戸の伝説(葉山町)

葉山御用邸の北側すぐのところに、葉山しおさい公園と美術館があり、その北側にプレーゴ葉山という格安の宿泊施設がある。

 

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ここはもともとは秩父宮邸であり、富士フィルムの寮を経て今のプレーゴに変わったのだが、この場所こそが今なお不思議な石芋井戸の伝説を残す場所である事を知る人はめっきり減ったようである。

 

この施設の玄関わきには富士フィルムの寮のころにはすでにあった池が水をたたえており、ちょっとした庭園を形作っている。


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地域史料によれば、この枝分かれした木の根元に石芋井戸を模した石が並べられていたのだろう。今となってはすっかり移動されてしまったようで跡形もない。


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(史料より)

 

ここにはかつて、聞くも不思議な石芋井戸の伝説があった。

今はその井戸も池の中に消えてしまったというが、昭和の終わりころには上の写真のように、石芋井戸を連想させる石が並べられて置かれていたという。

 

その昔、ある秋の日にここの里人が芋を洗っていると、諸国を旅する一人のみすぼらしい老僧が「芋をわずかばかり恵んでもらえないか」と言ってきた。

けちな里人はたちまちこの老僧を追い返してしまったが、実はその老僧は弘法大師とも日蓮上人とも言われている高僧であった。

 

そんなことも露知らず、里人はすっかり洗った芋を軟らかく煮て食べようとしたが、どうにも歯が通らない。いくら煮ても煮ても石のように固くてとても食べられたものではないと、この井戸の近くに芋を捨ててしまったのである。

 

そののち、捨てられた芋は芽を出してたくさんの芋を実らせたが、どの芋も固くて食べる事が出来ないことから、この地は石芋井戸と呼ばれるようになったのだという。

 

おそらく、困っている人には手を差し伸べよ、僧は丁重に接待せよとの戒めの伝説であったのだろう。

 

いまではこのような話は昔のおとぎ話として一笑に付されてしまうが、夜な夜な囲炉裏の前に子供を集め、この話を説いて聞かせては他人への思いやりを教えていた里人たちの姿がよみがえるようで、ここにも目まぐるしい時代の移り変わりが感じられるのである。

 

 

 

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