これは、2009年、ウィーンのニューイヤーフィルです。
Marcha Radetzky - Concierto año nuevo 2009 (Daniel Barenboim)
ニューイヤーフィルの大トリは、大体どこでもヨハン・シュトラウスの「ラデツキー行進曲」 と決まっているのですが、この回のラデツキー行進曲はひときわ楽しい!!
何が楽しいって、指揮者の表情、身のこなし、軽快に観客までをも指揮するその小気味よさが楽しいですよね。
この指揮者はアルゼンチン出身のユダヤ人ピアニスト、ダニエル・バレンボイムさん。
ユダヤ人でありながらパレスチナ問題に対して大きな関心を寄せるバレンボイムさんは、このコンサートが行われた2009年、まさにイスラエルによるガザ侵攻が行われているときに指揮棒を取り、冒頭のスピーチで「この2009年が世界平和の年になるように、中東で人間の正義が行われるように、私たちは期待します。」と英語でスピーチしたのみならず、声明では「私たちユダヤ人は、無辜の民の虐殺がどれほど非道で許せないものかを、他の誰よりも痛感しているはずだ」とし、イスラエルに対して「より賢明な行動を」と、パレスチナとの共存を訴えたとされています。
かつてナチスによる迫害で塗炭の苦しみを味わったユダヤ人たち。
彼らを代表する著名人は数多くいますが、その中の1人として、これからも音楽を通じて世界の平和を訴えて頂ければと思います。