韓国ではインターネット漫画というジャンルがありまして、パソコンで漫画を描いてインターネット上にアップし、広告収入などを得ている人がけっこうな数います。
この漫画も、そのうちの一人であるカン・ドハが描いたもので、のちに人気が出て単行本が出版され、さらに擬人化されたキャラクターを人間にして実写版映画まで公開された人気作です。
この漫画は、残念ながら全て韓国語なのですが、貧民街に住む若いカップル「ギャッツビ」「ソン」と、その親友「ハウンドゥ」が組となり、対をなすのが、「ギャッツビ」の元彼女でありながらお金持ち(名前失念)と同棲し悠々自適な生活を送る「ペルス」の組の物語です。
貧困と就職難という現代韓国を象徴する問題の中に生きる若者と、金持ちとして暮らしながら心のどこかで満たされない若者。
これらは現代韓国の抱える縮図でもあり、開き続ける貧富の差と、それにも負けずに本音の恋愛を貫く若者を鋭く描いています。
特にこの漫画で素晴らしいな、と思うのは絵の緻密で丁寧な描き込みですね。
貧民街のシーンでは割れた瓦や崩れた階段、家の前に積み上げられたゴミなども緻密に描かれています。
「俺たちがいる、この場所が・・・
俺たちのプロヴァンス。」
本当は寒い部屋に一枚きりの布団で震えながら、一緒にいれば心は温かく、フランスのプロヴァンスにいるような気持になる。
この漫画の名言であると思います。
願わくば、純情しか持たない若い二人に幸、多からんことを。