2007年(平成19年)韓国映画「光州5・18」(原題:華麗なる休暇)
まだそう遠くはない1980年5月。
韓国の地方都市でタクシー運転手をしていた青年と看護婦の彼女(まだ友達〜恋人未満か)。
そして、青年の弟である男子高校生。
田舎町で平和に生きる、純朴で清貧な彼らを待ち受けていたのは、あまりに悲しく冷酷な現実だった。
軍事独裁が続く韓国では、全国で民主化を求めるデモや抗議運動が巻き起こっていた。
特に、かねてより地方差別を受けていた全羅道(韓国南西部)は民主的な大統領候補とされる金大中を輩出した事もあり、軍部から目の敵にされ道の政治の中心の街・光州を包囲される。
完全なる情報統制が敷かれる中、光州の事実はまったく外部に知らされることなく軍隊は市民に銃口を向け、光州市民はたくさんの大切な人を失う事となる。
光州市民は市民軍を結成し蜂起。
予備軍の基地を襲撃し武器弾薬を奪っては全羅南道庁舎に立てこもり、正規軍と壮絶な戦いを繰り広げる───。
韓国では義務化された兵役もあり、朝鮮戦争やベトナム戦争に従軍した者も多く、誰もが銃火器の取り扱いに長けている。
もともと正規軍として軍服を着ていた男たちだから、正規軍を押し返す事が出来たのも不思議ではなかったろう。
しかし、物量ともに勝る正規軍にはとうてい叶わず、徐々に追い詰められていく。
この映画には、単なる恋愛映画や戦争映画の枠を越えた、奥深いテーマが流れている。
今でも根強く残る地域対立は、光州市がある韓国南西部の全羅道と、韓国南東部の慶尚道との間に特に激しい。
韓国人である義兄(親族ではなく、心を通わせた親友を韓国では義兄弟にする。みうけんも彼を兄貴と呼んでいる)の父は当時の光州市民だったが、当時の様子を
「空挺部隊が多かったように言われているが、実際は近くの部隊も集められた。そこには慶尚道の師団もいた。師団章を外したって、訛りや振る舞いですぐに分かった。
奴らは、こちらに向けて引き金を引くときに言うんだ。この犬野郎とね。韓国では最悪の悪口だ。
それも、薄笑みを浮かべながら引き金を引く。目の前で銃口をこちらに向けて急所を狙う。その時の兵士の顔は、自分よりかなり若かったね。そんな若僧が、笑いながら引き金を引く。
私は無意識に身をよじって急所を外したんだ。ほら、ここ。(傷を見せて)
でもね、横にいた同僚は頭を撃ち砕かれていた。
その時の兵士の顔は決して忘れないね。
君には分からないだろう。日本は平和だからね。我々は、同じ国に住んでいたって同じ韓国人だなんて思っていない。お互いに人ではない。まるで肉牛を叩き殺すのと、何ら変わらなかった。
君は日本人で幸せだ。生まれてから一度も銃を持たずに済むことは、なかなか出来ることじゃない」
と語ってくれた。
(とても聞き取れないので、日本語堪能な義兄がいちいち訳してくれた)
この映画にも、兵士が不敵な笑いを浮かべながら無抵抗の市民を撃ち抜くシーンがあるが、その1秒程度のシーンにも、当時を生き抜いた光州市民にはたくさんの想いが詰まっているのだろう。
韓国を愛する皆さんも、韓国が嫌いな皆さんも。
韓国の歴史や政治に詳しい皆さんも、韓流アイドル専門という皆さんも。
少しでも多くの方に見てほしい。
そう遠くない日、日本の隣で何があったのかを。
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