みうけんのヨコハマ原付紀行

愛車はヤマハのシグナスX。原付またいで、見たり聞いたり食べ歩いたり。風にまかせてただひたすらに、ふるさと横浜とその近辺を巡ります。

歴史と民話とツーリング-横須賀市

不思議な観音伝説と手掘りの隧道 景徳寺の伝説(横須賀市)

横浜から横須賀へと南下していく国道16号線沿いは、現在となってはたいへんに交通量も多く、軍都横須賀と港湾都市横浜を結ぶ神奈川県の大動脈ともいえる存在である。 その国道16号にかかる船越トンネルの手前には、瀟洒な寺院が建っているのがわかるが、…

死後の世界の安楽を託された 傍示堂石塔群(横須賀市)

京浜急行の追浜駅から駅前の16号線を北上していくとすぐに雷神社の鳥居が見えてくるが、雷神社をすぎてすぐのところに、立派なお堂に入った六地蔵や庚申塔が所狭しと並べられているのが見てとれる。 これは傍示堂(ほうじどう)石仏群といい、この近辺の浦…

娘たちを落雷から守った 雷神社のビャクシンの老木(横須賀市)

京浜急行追浜駅から金沢方面に向かって、およそ100mほど行き歩道橋を渡ると、右側に石の大鳥居が見える。 ここが旧村社であり珍しい名前の雷神社である。 名称の読み方には諸説あり、「雷神社」と書いて「いかづちじんじゃ」と読むのが正式とは言われて…

出征兵士の無事を願った 観音寺の弾丸除地蔵尊(横須賀市)

横須賀市は深浦湾の脇、榎戸というバス停がある。 この榎戸バス停から山側に行くとすぐに三叉路があるが、この三叉路を超えたところにうっかりすると通り過ぎてしまいそうな細い道がある。 この道は当然車では入れないようなところであるが、このような道で…

無念の殃死者を慰める 踏切脇の轢死者溺死者追善塔(横須賀市)

JR線田浦駅前の国道16号線を北上すると、ほどなく横須賀線の線路の下をくぐることとなるが、横須賀線の線路を過ぎてすぐ左側の路地へ入っていくと、さらに左へと入り込む路地があり、その路地の奥に静円寺(じょうえんじ)踏切がある。 静円寺というのは…

相撲取りの病を癒した 瘡守稲荷(横須賀市)

横須賀市平作の、「瘡守稲荷」で知られる大蔵寺(だいぞうじ)のあたりは、俗に明登山(みょうとさん)と呼ばれ、今なお緑豊かな小山を背にして静かにたたずむ古刹である。 境内に入ってすぐに目に入るのは、注連縄を巻いた見事な槇の木で、この大木はこの寺…

村人たちの病を癒す 清雲寺のイボ地蔵(横須賀市)

京浜急行北久里浜駅を起点に西側の山を登っていくと、遠くに東京湾を望む横須賀市営墓地があるが、そのふもとの小高く昼なおうっそうとした木々が生い茂る中に、清雲寺という静かなお寺がある。 むかし、康平6年(1063年)に源頼義より三浦の地を与えら…

三浦一族の痕跡か 大矢部の磨崖仏(横須賀市)

磨崖仏という仏様の形態がある。 普通、仏像というのは木を彫って作った木像だったり、石を彫って作った石像だったりする場合が多いのであるが、歴史のある街では自然石や崖などを削って仏像を造像する例があり、当ブログでも過去にいくつか紹介している。 …

三浦義澄の墓所 薬王寺の跡(横須賀市)

横浜横須賀道路、佐原インターチェンジの北側は山に寄り添うようにして細い道がどこまでもつながる、いかにも歴史の古そうな住宅地が広がっており、車では容易に入れない、このような所こそが原付の力の見せ所である。 この辺りを昔から大矢部というが、その…

山の頂上から民衆の生活に溶けこんだ 武山不動(横須賀市)

横須賀市の中でも名峰である武山は海抜202メートルを数え、頂上からの展望は特に素晴らしいが、その登山道は舗装されて車で登る事もできるものの、すれ違いが難しく、このような所こそが原付の力の見せ所である。 また、武山は頂上からの眺望がすばらしい…

合戦の悲哀を今に伝える 黒石の古戦場(横須賀市)

三浦半島西岸の三崎街道を南下し、自衛隊武山駐屯地のあたりで道路は海沿いから内陸へと入っていくが、そのあたりの左手の小高い丘の中には昔ながらの集落が残っており、その中に「黒石」と呼ばれるところがある。 黒石という地名は、道の脇に地中から頭だけ…

開発に失われた 海賊退治の石井塚(横須賀市)

横須賀の観音崎公園を貫く観音崎通りを南下していくと、観音崎自然博物館の先に風光明媚な砂浜を望むことができるが、ここは昔から多々羅浜(多々良浜)と呼ばれている砂浜である。 「新編相模国風土記稿」の鴨居村の項には、「石井塚」というのものが記され…

自然石のうなり声が不思議な伝説となった 長井のオコリ石(横須賀市)

横須賀市の西岸、長井の長徳寺の裏手には「ぽっくり地蔵」という悲しい謂れのあるお地蔵様が祀られており、その悲しい言い伝えは前回にも紹介したとおりである。 www.miuken.net そのぽっくり地蔵のあたりはかつて火葬場があった場所ともされて昼なお淋しい…

悲運の武将 蒲冠者範頼の伝説(横須賀市)

三浦半島の付け根である横須賀の夏島の街は、近隣に日産自動車や岡村製作所の工場を控えた工業地帯であるが、少し内陸に入れば山々の谷あいに閑静な住宅街が広がっており、その一角に静かにたたずむのが金剛山正禅寺である。 この寺は臨済宗であり、本尊は観…

病に苦しむ人々を静かに看取る 長井のポックリ地蔵(横須賀市)

三浦半島の西の端、横須賀市長井のあたりは交通の便もあまりよくなく、そのせいかソレイユの丘を除いては遠くからの観光客が訪れることもあまりなく、平日の日中ともなれば人気も少なくのどかな農村地帯が広がるところである。 この長井の里にある長徳寺はも…

今はなき浦郷陣屋と 首切観音の哀話(横須賀市)

京浜急行の追浜駅から駅前の国道16号を下り、踏切を渡った小谷戸のあたりは俗に「ごじんや」と呼ばれて、江戸時代に「浦郷陣屋」があった所であると伝えられている。 この辺りは昭和の初めには3,4軒の民家があるだけで、あとは田畑が広がるのどかな風景…

名主が百倍の加護を願った 専養院の百庚申塔(横須賀市)

三浦半島西岸の陸上自衛隊武山駐屯地から、小田和川に沿って走る道をどんどん登っていくと、やがてこんもりとした小山が見えてくるが、これはただの山ではなく三浦大介義明の子である大田和義久が築城したとと伝わっている大田和城址である。 この方角から見…

生活の中心となり 武士の体をも清めた身洗川(横須賀市)

夏も終わりに近づいた9月の初め、さわやかな風を全身に浴びながら原付で横須賀の里を駆け抜けると、途中で見えてくる見事な段々畑から上がってくる潮風が実に心地よく、日ごろ搾取されている身のストレスを一気に発散することができる。 道はどんどん細くな…

漂着した御神体が漁師を見守る 長井の熊野神社(横須賀市)

三浦半島の西のはずれ、訪れる人もまばらな長井地区の海沿いの道路に、突如として立派な石造りの鳥居が姿を現すところがあり、これを地元の里人たちは「ごんげんさま」と呼んで親しんでいる。 この石造の鳥居は、石船が石を江戸へ運ぶ際、沖合いの亀城暗礁(…

武士の霊を慰め 漁師たちの漁をも守った長井の経塚(横須賀市)

京浜急行が南北を貫く三浦半島東側の海岸沿いに比べ、西側の長井あたりは交通の便も悪く、公共交通機関と言ったら本数も少ないバスくらいのもので、訪れる人もまばらな静かな所である。 長井の台地には、かつて旧日本軍の飛行場が建設された。 追浜の第1飛…

不思議な伝説を今に残す 長井の長徳寺(横須賀市)

三浦半島の西端、横須賀市長井の里にある浄土真宗長徳寺はかつては天台宗の古刹で、もともとの本尊は不動明王だったという。 現在ではお彼岸の時期にでもならなければ訪れる人も少なくて、まさに静寂の一言が似合うような静かなお寺である。 この長徳寺の本…

荒馬を名馬に変えた 蹄の井戸と馬堀の由来(横須賀市)

天気もよく日差しも温かな初夏の日、椰子の葉が揺れるよこすか海岸通りで原付を走らせた。 全身に当たる海風は心地よく、交通量も少ない、この海岸沿いの道はみうけんのお気に入りスポットのひとつである。 やがて、馬堀海岸四丁目東の交差点を山側にそれ、…

不思議な伝説を今に残す 隠れた景勝地 観音寺(横須賀市)

横須賀市は深浦湾の脇、榎戸というバス停がある。 この榎戸バス停から山側に行くとすぐに三叉路があるが、この三叉路を超えたところにうっかりすると通り過ぎてしまいそうな細い道がある。 この道は当然車では入れないようなところであるが、このような道で…

人々の信仰を集めた 亀崎半島の観音寺の栄枯盛衰(横須賀市)

大海原を見ながら観音崎通りを原付で駆け抜けて、観音崎公園を抜け鴨居の里に入る手前、小さく東京湾に突き出した半島が亀崎半島である。 この亀崎半島の付け根には「駆逐艦村雨の碑」の案内板が設けられているが、その脇に車がやっと一大通れる程度の細い道…

和田義盛主従が戦勝を願った 山上の髭剃塚(横須賀市)

観音崎公園の南側、鴨居小学校から海に出る道の途上に、うっそうとした木々が茂る丘があり、その中にひっそりと建つのが東光山無量寿院と号する西徳寺であり、その宗派は浄土宗鎮西派である。 この寺は鎌倉にある光明寺の末寺であり、開山は法誉順性であり、…

捨て子から僧となり村の危機を救った 久村の捨平(横須賀市)

久里浜の駅の西側、八幡神社を越えてなだらかな坂を上った丘の上には、いかにも地元の鎮守様といった風情のお社があり、これを御瀧神社といい、祭神は滝口五郎盛定というこの地の豪族である。 一見して無人と分かるような小さな神社であり、境内には公園も整…

武将との相撲に負けてしまった 岩戸の天狗の伝説(横須賀市)

南東に向けて走っていた京浜急行の線路が、三浦半島の海岸船に添う形で大きく西にカーブするところがある。 いわゆる北久里浜駅からYRP野比駅までの区間であるが、この中に線路に囲まれるようにしてある岩戸という地区がある。 岩戸はかつてはうっそうと…

グレゴリ青山さんと共有した 鷹取山の磨崖仏の話 (横須賀市)

みうけんの好きなマンガ家さんは、主に手塚治虫・藤子不二雄・宮崎駿(風の谷のナウシカなど)・横山光輝などがいますが、その「好きなマンガ家さん」のうちの一人にグレゴリ青山さんという方がいらっしゃいます。 ja.wikipedia.org 京都出身の女性で、古本…

忘れ去られていく 霊験あらたかな清雲寺クリ山井戸(横須賀市)

京浜急行北久里浜駅を起点に西側の山を登っていくと、遠くに東京湾を望む横須賀市営墓地があるが、そのふもとの小高く昼なおうっそうとした木々が生い茂る中に、清雲寺という静かなお寺がある。 むかし、康平6年(1063年)に源頼義より三浦の地を与えら…

三浦一族の偉業を今にも伝える 大矢部の腹切り松公園(横須賀市)

横須賀の衣笠や佐原の一帯は、かつては三浦一族の拠点として多くの城郭が築かれて栄え、歴史の舞台としても有名なところであるが、現在では閑静な住宅街であり史跡も目立たずといった感じがあるので、何も気を付けて居なければそのまま通り過ぎてしまうよう…